《ルポ売春家族》「パチ屋で因縁→美人局スナックへ」「利率は10日で5割の金貸しも」…一家を支配した「女帝」が編み出した、驚くべき「シノギの手法」
「ヤンキー車でパチンコ屋に通い…」
冒頭に登場した、敦子被告を古くから知る男性は「その当時から敦子はヤバい女として地元では有名だった」と証言する。出会いは20年以上前にさかのぼるという。 「たまたま柴田町で有名なパチンコ屋で打ってたら、いきなり後ろから敦子が『おめえ昨日も(当たり)出してたべや、そこどきや』と絡んできたんですよ。当時の敦子は今よりも太ってなかったけど、ガタイはよくて少しぽっちゃりしてた。金髪が色落ちしてプリン色みたいな髪色をしてて、灰色のジャージ姿にサンダルを履いて、タバコを咥えているザ・ヤンキーみたいな感じでしたね。 敦子の周りには子分みたいな連中が5人ほどいて、みんな敦子と同じく金髪にジャージ姿だった。それで後で後輩に聞いてみたら、『角田のヤバい女』として有名だったみたいで、毎日のように店で客に絡んでいました」 敦子被告の愛車は、当時ヤンキー車として人気だった「クラウンマジェスタ」。時価総額は400万円を超える高級車だ。それで毎日のように同じパチンコ店に通っていたが、彼女の羽振りの良さは周囲からも一目置かれていたという。 「敦子はまだ20代中盤くらいなのに、店内ではずっと波が荒い機種だったり、『ミリオンゴッド』や『スーパービンゴ』など、天井が深い台(ハイリスクハイリターンの機種)ばかりを好んで打ってました。だから知り合いに『なんであいつそんなに羽振りいいの?』と聞いたら、『あいつ美人局やってるんだよ』と言われたんです。 敦子は柴田町や大河原町のパチンコ屋を中心に『金貸し屋』みたいなことをしてて、金を持ってなさそうな若者や主婦を見つけては『金困ってるだろ?』とか言って3万円をボンと貸し付ける。それでとんでもない暴利をつけていたんです」(同)
借金を返せない客を「美人局」に
敦子被告が付けていた利率は「トゴ(10日で5割)」。すぐに利子で借金が跳ね上がるため、返済できなくなった客から敦子被告に取り込まれて美人局に加担させられていたという。こうして美人局ビジネスの「駒」を増やしつつ、夜になると当時、敦子被告が経営していたスナックで獲物を物色。店を訪れた男性客を美人局のターゲットにして金を巻き上げていた。 「敦子の周りにいた子分たちも、実際にはあいつから金を借りて返せなくなった連中で、女なら『売春役』、男なら『ゆすり役』をやらされてました。敦子の美人局に加担してた人数は数えきれません。それこそ美人局のターゲットが逃げたときは『アイツの職場を調べろ。追い込みかけるぞ』と片っ端から連絡するなどタチの悪いことをしてました。 普通、一般人が派手に金貸しなんてしていたらヤクザに目をつけられます。ただ、敦子の実母の元夫がカタギじゃない人と付き合いがあったようで、2人は仲が良かった。地元では、この男が入れ知恵したとか、後ろ盾についていたんじゃないかと言われています」(同) こうした流れの中で村上家はターゲットにされ、「売春家族」が出来上がっていった。その後、美人局という名の「ファミリービジネス」の崩壊を恐れた敦子被告は、直哉被告をマインドコントロールし、隆一さんを殺害させるという最悪の結末を迎えた。11月25日、仙台地裁は敦子被告の殺人への関与を認め、敦子被告に懲役28年、直哉被告に懲役20年の判決を言い渡した。 中学生まではソフトボール少女として将来を期待された敦子被告は、一体どこで道を踏み外したのか。続編『売春家族「女帝」の祖母が激白「コーチから虐められ失禁」「保険金詐欺で前科者」…田舎の少女が「美人局のドン」に成り果てるまで《懲役28年の判決》』では、敦子被告の祖母の独白をお送りする。
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)
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