悔しい気持ちしかない 東海大甲府・若山恵斗投手 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第2日の20日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、5年ぶり6回目出場の東海大甲府(山梨)は、2年連続12回目出場の東海大相模(神奈川)に3―1で敗れた。 【甲子園で公式戦初先発した東海大相模・石川】 ◇好投した東海大甲府・若山恵斗投手 悔しい気持ちしかない。信頼してもらいマウンドに立っているにもかかわらず、チームを勝たせることができなかった。東海大相模は自分たちよりも高い意識を持ち、冬を乗り越えたんだろうと思う。秋季関東地区大会で対戦したときよりも、基本に忠実な野球になっていると感じた。 自分の投球は直球も、スライダーも制球力の調子が良かったと思う。六回無死三塁のピンチでも失点することなく乗り越えられ、投球リズムは良かった。延長でも疲れてはいなかったものの、十一回に打たれた球はコースが甘くなってしまったと反省している。 初めての甲子園は、球場に入ったときから神聖な印象だった。甲子園の観衆の中で投球できたのは、みんなの協力があってこそ。感謝しかない。夏に向けて、個人的には制球力をもっと磨き、球の質にこだわりを持って練習したい。チームとしては終盤の集中力や、打撃などを見つめ直し、また甲子園に戻ってきたいと思う。 ◇村中秀人監督「まさか石川投手でくるとは」 ここ一番で予想もしなかったパスボールが出た。先制点の取られ方が良くなかった。また八回1死二、三塁の攻撃で(適時打で追いついたものの、本塁で憤死した二塁からの)走者を回してしまった。ここは冷静さを保ってほしかった。ほんのちょっとした心の隙(すき)というか、これが勝敗を分けたと思う。 前に監督を務めた東海大相模に負けて、何とも言えない気持ち。まさか右腕の(石川永稀)投手でくるとは。意表を突かれた。終盤で継投した(左腕の)石田隼都投手への対策をしてきたつもりだったが、(石田投手も)非常にボールに勢いがあり、そこまでの速球を打てるほどうちは打撃が向上しておらず、反撃できなかった。 完投したエースの若山恵斗投手は気持ちが強く、どんな舞台でも投げることができる証拠を見せてくれた。本当によく頑張ってくれた。私が現役時代に投げたこの舞台で、選手たちを勝たせてやりたいと試合前のノックを打っていた。素晴らしい球場ですね。今日はいろんな体験をさせていただいた。夏に向けて、山梨に持ち帰ってじっくり考えたい。 ◇三浦諒太主将「ミスで勝敗分けた」 先発の若山(恵斗投手)が頑張ってくれていた中で援護ができなかった。大事なところで技術不足から自分の情けないミスが出て、それが勝負を分けた。結果論だが、(捕逸をした七回を)抑えていれば勝てた試合だったと思う。周りには申し訳ない。 自分たちは守備が安定していて、守備から攻撃のリズムを作るチームだが、守備の部分で自分が足を引っ張ってしまった。(若山投手は)ストレートがしっかりコーナーに決まっていて、相手の打撃を把握しながらよく抑えたと思う。 (先輩方や応援してくれている地域の方々には)勝つことが一番の恩返しと思っているので、恩返しできなかったのは申し訳ない。野手はよく守ってくれ、若山もよく投げていて、守備自体は悪くないと思う。バッティングをもう一度考えながら、自分の弱さをなくしていきたい。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。