「こんなはずじゃなかったのにと涙が止まらず」妊婦高血圧症候群と診断され緊急帝王切開をした西方凌「産後は上の子のチックも始まって」
通っていたクリニックは、母体の産む力と赤ちゃんの産まれてくる力を優先してバースプランを考えるところだったので、「帝王切開は基本的にはしません。もしもの場合は大きな病院に搬送します。緊急時以外はオペ室を使いません」と聞いていたんです。でも、そのオペ室でまさかの出産になってしまって。2月の冷え込む夜の緊急オペだったこともあり、キンキンに冷えた分娩台で、唇が震えたままお産が始まりました。 1人目は安産ではあったのですが、産後に出血が止まらず、器具を使って子宮内の血液を掻き出すために両側から看護士さんにお腹を押されて、地獄のような痛みだったんです。見ていた夫がお産より心配するほど私は泣き叫んでいて、出産の余韻に浸る余裕がありませんでした。だからこそ、2人目は痛みも含めてすべてを楽しみたいと願ってバースプランを決めていたので、「えー、このまま産んじゃうの?」「あー、今おなか切ってる」「あれ?これで出産が終わり?」というスピード感で。頭では状況を理解しているものの、こんなはずじゃなかったのに…と涙が止まらなくなりました。すると、先生が肩をトントンと触って「立派なお産でしたよ」と声をかけてくださって。そのひと言で「あ、これはこれですごくいいお産だったんだ」と心が救われました。
■チック症状を見て「娘ファーストでいこう」と決意 ── 上のお子さんのケアと赤ちゃんのお世話のバランスは、どのように取っていましたか? 西方さん:娘は、悲しみや悔しさなどの感情を怒りで表すことが多くて、放っておかれるのが苦手な子なんです。弟が産まれるとチックが始まってしまったので、夫と話して「まずは娘ファーストでいこう」と決めました。赤ちゃんを見に来てくれる人たちにも、前もって「お姉ちゃんに会いに来たと思ってまずは遊んでもらって、娘から『弟ができたんだよ』と言ってきたら『あ、そうなの?見せて』みたいな流れにしてもらえない?」とお願いしました。