「こんなはずじゃなかったのにと涙が止まらず」妊婦高血圧症候群と診断され緊急帝王切開をした西方凌「産後は上の子のチックも始まって」
LINEを読んだママ友から「今日こんなことがあったらしいね」という話を、先生から教えていただく前に聞くということが日常的になっていました。私もそのたびに「きょうお友だちとこんなことがあったって聞いたけど、本当?」から始まって、娘が話し出そうとすると「あなたがそういうことをするから、私はあなたを守れなくなる!」と叱ってしまって。4歳の子に言っても理解できるわけがないし、そうなったには何か理由があるかもしれないのに、本人の話をきちんと聞かずに叱ってしまっていたんです。「あ、そうか。それは嫌だったよね」という共感をまったくせず、トラブルをなくすことばかり考えて、人から聞いた話を信じて、娘を叱るどころか怒りにいってしまっていました。
そのころ、娘は口癖のように「どうせ私はうちの子だからでしょ!」とよく言っていたんです。ほかのお友だちと自分が同じことをしていても、自分ばかりが叱られるなんて不公平だということを訴えていたのですが、それに対しても、私は「あなたが私の子だからだよ!お友だちは、お友だちのお母さんが注意するから!」と反論してしまって。今考えると、本来叱らなくてもいいことでも叱っていたし、娘は怒りでしか感情を表現できない子なので、反抗的な言葉は彼女なりのSOSだったんだとわかるのですが、当時は気づくことができませんでした。
■「周りの目ばかり気にして娘の気持ちに気づけず」 ── お子さんのSOSに気づくきっかけとなったのは、どんな出来事だったのですか? 西方さん:年長のとき、娘に「一緒に帰ろうよ」と言ってくれるお友だちがいて。その子が娘を好きでいてくれていることを知っていたので、「一緒に帰ろうって言ってくれてるよ」と伝えると、娘は「うーん、どうしようかな」と答えて、その場から動かなくなったんです。お友だちとお母さんも待ってくれていたので、「一緒の方向だからいいじゃん!」と声をかけると、「うーん、やっぱりひとりで帰ろうかな」と言い出して。私は思わず手を引いて半ば強制的に歩かせたのですが、お友だちより先に歩いたり話に返事をしなかったりで。結局、感じが悪いまま、私はお友だちとお母さんに「ごめんね」と謝ってバイバイをしました。