気鋭のクリエイター、ロエベ、深津絵里がコラボレート! その「風変わり」な舞台裏をクローズアップ。
ロエベが2024年春のウォレットキャンペーンで、一粒万倍日を祝うショートフィルム『天道虫/THE LADYBUG』を公開。新進気鋭の監督、八代利季が指揮を取り、俳優の深津絵里が主演を務めたこのちょっと"風変わり"で壮大なワンシーンのような映像はたちまち話題に! フィガロジャポンではその舞台裏に迫る。 "幸運と遭遇"をテーマに古典西部劇の決闘シーンを想起させるキャンペーンフィルム『天道虫/THE LADYBUG』は、砂埃が舞うコンテナヤードが舞台。同シーズンのウィメンズコレクションに身を包んだ深津が、男と対峙する緊迫した空気感が印象に残る。そんな一風変わった世界を描いた八代監督は、東京生まれのアメリカ育ち。映画監督、作家、写真家とマルチに活動し、2022年には、東京で暮らす人々の日常を描いた短編映画『Tokyo Animals』(2022)が、アメリカ・ユタ州で開催されたスラムダンス映画祭2024に出品されたばかりだ。 今回、ロエベからのオファーに際し、「とてもワクワクした」と話す八代監督。「メキシコからテキサス州に移動しているときに、財布をなくしてしまったんです。それで、エルパソ空港近郊の小さなモーテルで1週間くらい足止めをされていたのですが、夜中に電話が鳴って、このウォレットキャンペーンの企画に参加しないかと連絡を受けました。私の『Tokyo Animals』を観てくださったそうで、何かの縁を感じましたね。今回の協働が正式に決まった時は、とても光栄でした」と振り返る。
今回のキャンペーンフィルムには、深津絵里を初め、3人の登場人物が描かれる。「深津さん演じる主人公の女性とレザージャケットを着た男性はかつての同僚であり、古くからの知り合い。ともに生き方として"タフであること"が根付いているような人物なのです。女性は、レザージャケットの男性から呼び出され、スーツ姿の運転手兼相棒の男性と一緒に、かつての同僚の到着を待っている。実は、彼女は過去にレザージャケットの男性と幾度か対立し、裏切られた経験があって、そのことが女性を慎重な面持ちにしているんです」と八代監督。 「物語が"対立"というシンプルな構造だから、クリエイターである私たちは両者の関係性や背景など、映像に映らない部分にまでさまざまな遊びを張り巡らせることができました」。