まさかの栄養失調に? 77歳の泉ピン子が「終活やめた」と言う理由
1993年の『おしん』をはじめ、『渡る世間は鬼ばかり』『女太閤記』『西郷どん』といった大型ドラマから、『ぴったんこカンカン』などのバラエティーまで広く出演。2019年には文化庁長官表彰や旭日小授賞を受賞した国民的女優・泉ピン子さん。 【写真】泉ピン子「憧れの矢沢様と偶然お隣さんに…」半世紀にわたる推し活を語る笑顔 現在は熱海に居を構え、夫と愛犬と暮らしていますが、隠居するどころか、2024年年末から2025年春にかけてもさらに活躍の兆しが! そのひとつとして、「もしかしたら最後の本になるかもしれない」という書籍の刊行が決定! 『終活やーめた 元祖バッシング女王の「ピンチを福に転じる」思考法』と題し、2025年3月5日に発売となります。その刊行決定を記念して、本書のエピソードを特別に一部ご紹介します。
2024年9月に喜寿を迎えました
お陰様で2024年9月に喜寿を迎えました。若い頃は、「私はきっと50歳で死ぬんだ」と思い込んでいた節があります。なんで50歳かというと、それはたぶん時代劇の影響。戦国武将の寿命って、だいたい50歳ぐらいだから。昔は織田信長が亡くなった47歳ぐらいが平均寿命だったというし。まさか自分が喜寿まで生きるなんて考えたことがなかったんです。でも、実際に50歳になってみると、16の時からずっと所属していた事務所の社長に裏切られ、ウン億円の借金を背負わされてしまって……。まぁこの話は別に詳しくお話ししますが、借金返済のためにまさに「死に物狂い」で働いた50代前半のことでした。肉体的な「死」を意識する暇なんてなかった。
身辺整理をしようと思った理由
私が、最初に自分の身辺を整理しようと思い立ったのは、恩師である橋田壽賀子先生が亡くなった、2021年のことです。当時は、「終活」という言葉も流行っていたし、クローゼットの中には、一度も使っていないバーキンや、一度も袖を通してないエルメスのコートなんかがあったから。それを着てみたら、背が縮んじゃって裾が床についちゃうの! 今ではもうエルメスでファーがついているコートなんて作ってないらしいから、すごく貴重なものだと思うんですが、せっかくなら似合う人にあげようか、なんて。宝石にしてもバッグにしても、だったら手放す前に、映像に残すのも良いかと思って、テレビの取材に応じてみたんです。