「カープ女子」の心をつかんだ広島に学ぶマーケティングの視点
成長を楽しめる生え抜き選手
三つ目は、選手たちの存在です。「育成のカープ」といわれるように、入団当初から自前で育成し主力選手とすることが一般的です。そのため、そうした選手の成長過程や活躍ぶりを見守る中で、熱心なファンになる人が多いといわれています。 例えば、「カープ一筋」で活躍するベテラン選手の東出輝裕選手や梵英心選手、少し前だと、昨年引退した前田智徳氏や監督に就任したばかりの緒方孝市新監督などは、球団生え抜き選手の代表格です。 また、最近では、前田健太投手や堂林翔太選手など、人気・実力に加えて、ルックスも良い生え抜きの若手選手も活躍しており、女性からの人気を集めています。
ファンづくりのポイント
どのような製品・サービスであっても、ファンづくりの第一歩は、「経験してもらうこと」です。実際に触ってみたり、使用してみたりしなければ、製品の本当の良さは伝わりません。 カープ女子が増えている要因の一つは、野球に触れる経験の少ない女性に、生の野球に触れ、楽しい経験をしてもらって「野球って、楽しいんだ!」ということを実感してもらうことに、球団が注力していることにあります。 また、より熱心なファンづくりのためには、何より製品・サービス自体が魅力的なものでなければなりません。ファンの心をつかんで離さない魅力的な“主力製品”である選手たちの存在もまた、熱烈なカープ女子増加の大切な要因の一つといえるでしょう。 (株式会社日本情報マート)