奈緒、玉森裕太らが見事にハマった『あのクズ』の裏側をP語る 最終回に込めた思いも「恋愛っていいなと…」
つらい減量もネタにして笑いを取る奈緒の強さ
いよいよ10日に最終回を迎えるTBS系火曜ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(毎週火曜22:00~)。主人公・佐藤ほこ美を演じる奈緒のストイックなボクシングシーンや、葛谷海里を演じる玉森裕太の“沼らせぶり”が大きな話題となったが、プロデューサーの戸村光来氏が最終回を前に作品を振り返った。 【写真】かっこよすぎる奈緒のボクシング姿や玉森裕太との胸キュンシーンほか(全12枚)
従来のラブストーリーでは、ボクシングをする男性を女性が応援するというのがセオリーとも言えるが、本作では、クズの男性を「殴りたい」という思いからボクシングを始めるという、ちょっとひねりの効いた物語が展開されてきた。 「女性が男性ボクサーを応援するというのは、過去に何回も題材としてある話だと思ったので、今回は格好いい女性像みたいなところを描いてみたかったんです。男性ボクサーだと、どうしても友情とか勝利にクローズアップして描かれることが多いのですが、実際ボクシングの取材をしていると、決してそういうハードな面だけではなく、家族や周りの人の支えみたいなところもあるので、今回はそういった部分を描いていきたいと思ったんです」。 奈緒演じるほこ美は、ストイックにボクシングに向き合う“格好良さ”がある一方で、鼻血を出すシーンなど、ラブストーリーのヒロイン然とした感じではない。 「奈緒さんとも話したのですが、とかくラブストーリーというのは、いい意味でも悪い意味でもノイズを除去するというか、キレイな部分を描くことを意識してしまいがちなのですが、今回は汗とか鼻血とか、ある意味で人間らしい部分をしっかり描いていきたいねというのは大切にしました」。
企画を立ち上げた段階からプロデューサー陣のなかでは「奈緒さんに演じて欲しい」という強い思いがあったという。 「ほこ美というキャラクターを作っていく段階で、応援される主人公であってほしい、観ている方が親しみを持ってもらえるキャラクターになるといいなと思っていたんです。奈緒さんって、私たちが生活している世界にも、どこかいそうな感じと言うか、同じ世界線にいるな――と思えるリアリティを感じる俳優さんだと思っていたので、どうしても奈緒さんがいいという思いがあったんです」。 制作陣の期待通り、現場での奈緒は想像以上に人間味あふれる存在だったという。 「本当にずっと笑っていて、ずっとしゃべっている(笑)。笑い声も大きくて、いらっしゃるだけで現場が和むんです。今回、ご一緒できて本当に良かったです。本人にも言ったのですが、いい意味で人を緊張させない。フラットにお話しできるんです。各部署のチーフを務める人間は、今回初めてその立場に就く人が多かったんです。みんな少し緊張したなかでのクランクインだったのですが、奈緒さんは一人一人ちゃんと名前を覚えてくださっていて、皆を巻き込んでいくんです。そのおかげで本当に楽しい現場になりました」。 ボクシングをマスターするという過酷な準備のなか、減量などにも挑んだ。それでも悲壮感などはなかったのだろうか――。 「現場ではつらい素振りを見せず、それすらも楽しんでいる感じなんです。食事制限も結構大変だったと思いますが、そこもネタにして笑いを取ったり。『炭水化物を控えていると頭がボーっとするんですよ』なんて笑いながら話していました。本当に強い方です」。