お正月におなじみの「お屠蘇」、あなたの地域では何が入ってる?「甘酒」とは何が違う?
お正月は、無病息災や長寿を願う縁起物として甘酒やお屠蘇がよく飲まれます。この2つはしばしば混同されることがありますが、その大きな違いは原料にあります。 【写真】「飲む点滴」甘酒に含まれる栄養素は? * * * * * * * ◆甘酒には2種類ある? 甘酒は、ビタミンやアミノ酸などの豊富な栄養素を含むことから、「飲む点滴」とも呼ばれ、美容・健康効果が高い飲み物です。 ただ、ひと口に「甘酒」といっても、厳密にはその原料によって「米麹(こめこうじ)甘酒」と「酒粕(さけかす)甘酒」の2種類に分けられます。 米麹甘酒は、米と米麹(こめこうじ)を原料とするものです。米麹の働きによって米のデンプンがブドウ糖に分解されるため、ほんのりとした自然な甘みを感じられます。アルコールが含まれていないので、年齢を問わず飲めるのも魅力です。 一方、酒粕甘酒は酒粕(さけかす)から作られます。酒粕というのは、日本酒を造る工程で出る白い固形物のことです。これを水に溶かし、砂糖を加えて甘みをつけると酒粕甘酒になります。 酒粕甘酒は日本酒由来の香りや味のクセが強く、人によって好みが分かれやすい甘酒です。米麹甘酒と異なり、成分にアルコールが含まれる点にも注意しましょう。
◆お屠蘇の中身は地域で異なる? お屠蘇は甘酒と並び、お正月に飲むお酒としてよく知られています。ただ、その中身は地域によってさまざまです。 (1)日本酒やみりんに屠蘇散(とそさん)※を漬け込んだもの。 (2)何も加えていないそのままの日本酒。 (3)その土地の地酒。 ※複数種類の生薬を配合したもの。使用される生薬は地域によって異なる。 傾向として、関西では(1)、関東や東北では(2)をお屠蘇とする地域が多いようです。(3)のお屠蘇は主に九州で見られ、代表的なものとしては熊本県の「赤酒」があります。 このように、地域ごとに中身が大きく異なるお屠蘇ですが、原料にみりんやお酒を使っている点は基本的に共通です。そのため、子どもや妊娠中の人、お酒に弱い人、車の運転をする人は飲まないようにしましょう。
「婦人公論.jp」編集部