【羽生結弦さん、語る(3)】「本当に綿密に計算しながら」熟考したピアノ曲へのこだわり
フィギュアスケート男子で五輪2連覇し、プロとして活動する羽生結弦さんが30歳の誕生日を迎えた7日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで新たな単独公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR」をスタートさせた。 【写真】<Echoes of Life埼玉公演第1日>演技をする羽生結弦さん(撮影・小海途 良幹) 仮想世界を舞台に生きる意味を問う壮大な物語。プロジェクションマッピングなどの演出も駆使し「産声~めぐり」など多くの新曲を含む本編12曲、アンコール3曲の計15曲を熱演し、1万4000人の観客をとりこにした。以下は公演終了後の一問一答。 ――映画のようなムービーもあった。撮影に要した時間は。元々スクリーンでの演技に挑戦したい思いはあったか。 「まず後ろの質問からなんですけど、1回映画に出演させていただいたことがあって、お芝居というものをさせていただいたんですけど、本当に“あっ、向いてないな”って思ったんですね、その時に(笑い)。映画に出たいとかそういう気持ちは全然なくて。ただ、NOVAという主人公に対して演じるということに関しては、何も違和感がなかったというか。やっぱり自分がつづった物語であって、自分が完全に入り込める主人公を描いているので、そこに関しては、やっぱり自分が演じないといけないなという感覚ではいました。撮影に要した時間なんですけど…。3日間くらいかけて、ですかね。丸2日間ずっとやって、半日ぐらいやって、もう1回半日撮って。プラス、ナレーション録りをしなきゃいけないので、ナレーション録りでもまた丸2日かけて録っているので…。大変でした!はい(笑い)」 ――選曲や表現のこだわりについて。 「RE_PRAYが結構、ゲーム寄りにつくっていたので、新プロつくりつつも、割とクラシカルなものを結構やりたいっていう気持ちがあったのと。今回も哲学ということをテーマにしていたので、ピアノの旋律であったり、気持ちが凛とするような曲たちを、割と多めに選曲しています。その中で、自分がストーリーを描く中で“ここは戦いたいところだな”とか“ここは芯を持つべきところだな”とか“ここは言葉をそのまま使いたいところだな”とか。そういったことをいろいろ考えた中でいろいろ選曲をこだわっていたという感じですかね。今回とにかく一番悩んだのは、5番目の曲かな。ピアノのクラシックの連続のところからのバラ1っていうのが、今までやったことのない、1回もはけないで、30秒間ずつくらいでずっとプログラムを演じ続けるみたいなことをやっているんですけど。あそこは清塚信也さんと一緒にクラシックのことも勉強し、どういう意味を込めて弾きながら、また僕もジェフリー・バトルさんに振り付けを頼んでいるんですけど、ジェフとも“こんなイメージで滑りたい”っていうことを本当に綿密に計算しながらつくった10何分間のプログラムです」