「寝ても疲れが取れない…」それは寝不足ではなく『栄養不足』管理栄養士直伝の食事の工夫
「ちゃんと寝ているのに、なかなか疲れが取れない」という人は栄養不足かもしれません。疲労改善には、食事からの栄養摂取が必須です。忙しくて食事量が足りていないかもしれない方は、それが疲れの原因かもしれません。今回は疲労と栄養素の関係や疲労を感じたときに摂りたい栄養素、逆に疲労感を強めてしまう食習慣について、管理栄養士の佐久間さんに解説してもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「なかなか疲れが取れない」 過剰摂取・不足している栄養素は?
編集部: 休んでも疲労感がぬぐえません。疲れに食生活や栄養素は関わっていますか? 佐久間さん: 疲れと食事(栄養素)はとても深く関係しています。例えば、炭水化物や脂質はガソリン、たんぱく質は車体、ビタミン・ミネラルは車体をスムーズに動かす潤滑油となり、私たちの体を動かしてくれるのです。なので、どれかが不足または過剰になると、体がスムーズに動かなくなります。これが体の不調や疲れの原因となります。 編集部: では、疲れが取れないと感じるときは具体的にどの栄養素が不足していますか? 佐久間さん: 疲れがなかなか取れないときは、糖質やビタミンB群の不足が考えられます。疲れは、体を動かすエネルギーの産生や活用が上手くいっていない証拠です。エネルギーの供給が不十分だと、仕事や家事のパフォーマンスの低下にもつながります。さらに、体がエネルギーを補給しようと筋肉の分解を促すので体力の低下がおき、余計に疲れが増します。疲れを感じたときは糖質でエネルギー源を確保するほか、代謝を促すビタミンB群を摂ることが大切です。 編集部: では、不足しやすい栄養素(糖質・ビタミンB群)を摂っていれば、疲れにくくなりますか? 佐久間さん: いいえ、糖質やビタミンB群だけを集中して摂っていても疲労は改善しません。摂り過ぎてしまうことで、疲れを助長させてしまう可能性もあります。大事なのは、日頃から栄養バランスを意識して食事を摂り、疲れを感じたときに不足しやすい栄養素を強化したり過剰に摂っているものを抑えたりすることです。