鬼伝説の大江山で「鬼の学校」を開催 世界学会の前会長が源氏物語の鬼を解説
京都府福知山市大江町佛性寺の日本の鬼の交流博物館で9月28日に、「大江山鬼の学校2024」の講義が開かれ、世界鬼学会の第4代の前会長、宮本正章さん(87)=大阪府高槻市=が平安時代中期に書かれた長編物語「源氏物語」に出てくる鬼について解説した。 鬼好きが集まり、鬼について学ぶ世界鬼学会が主催。大江山の鬼伝説の普及と伝説を生かした地域づくりを考えようと、毎年各分野で活躍している人を招いて開いている。 宮本さんは「オニ」という言葉が文献に現れるのは平安時代に入ってからと述べ、奈良時代の万葉集では、鬼の字を「モノ」と呼ばせていたと話した。 源氏物語の帚木の巻で、鬼は目に見えないものとして表現され、夕霧の巻では、死者の霊魂を意味する言葉として出てくると説明。死んで鬼となるというのは中国から伝わったと明かした。 紅葉賀の巻で登場する御心の鬼という言葉については、とてもつらいことや良心の呵責を意味すると解説した。 また平安時代末期の今昔物語では、鬼は目に見える存在として書かれていて、恐ろしい姿が表現されていることなどを紹介した。 12人が受講。話のポイントとなる言葉をメモしながら、じっくりと聴いていた。 10月19日午後1時30分から鬼博で第2回の講義があり、同学会の会員、光野夢子さんが「SNSの酒呑童子」のテーマで話す。