「保育士」の配置数、国の調査結果「9割改善」は実態と乖離? 保育士らの団体が“基準引き上げ”へのロードマップ策定求める
少人数での保育「脆弱と言わざるを得ない」
岩狹さんの発言後、出席した、保育士や保護者らから以下のような声があがった。 「配置基準の改善は保育の質の向上に直結する。配置基準の改善をより一層進めなくてはならない」(愛知県の保育士の男性) 「保育士は今、国中で体を張って子どもたちを守っている。しかし、子どもたちの命を守ることを考えれば、そばにいる保育士の数が少ないというのは、脆弱(ぜいじゃく)と言わざるを得ない」(東京都の園長の女性) 「保育士が疲弊していけば、最悪の場合不慮の事故や不適切保育につながりかねない。そして、そのような場所で働きたいと思う人も、預けたいと思う保護者もいない。それでも預けなくてはいけないというのが現状。どうか保育士の人たちが安心して働けるようにしてほしい」(3人の子どもを持つ女性) また、会見の終わりに、記者から「子どもひとりひとりに対する保育士の数を手厚くするというのは理解できるが、世の中では保育士不足が言われており、実現可能なのか」と聞かれた岩狹さんは次のようにコメントした。 「国のデータによると、全産業平均の賃金と、保育士の賃金の差は年々縮まってきてはいますが、依然として5万円の差があり、長時間労働の問題も残っています。 それでも、保育士の資格を持つ人自体は、実際に働いている人の数よりもたくさんいます。 そういう人々が、保育の現場に戻ってこられるよう、労働環境を改善し、整備していけば十分、実現可能だと考えています」
弁護士JP編集部