小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」
――小泉さんが「少しだけの幸せの循環」とコメントされていましたが、お二人が考える幸せはどういったもので、その幸せの循環を可能にするには何が大切だと思われましたか。 小泉 「ノエチとなっちゃんは、団地の中ではまだ中堅みたいな場所にいて、ある人から見たら若手と言われて、それで先輩方の何かを手伝ってあげたり手助けできる世代。さらに、若い人が入ってきた時にはその若い人とその先輩方をつなげる役割もできる。ノエチとなっちゃんは独身で子どもがいないし、自分たちは世の中で役に立つことが少ないと思っている中で、少しお手伝いができたり架け橋になれたりすることが、自分たちにとっても幸せに感じるし、された人たちもちょっと幸せになれる。そういうことがこの物語の中で循環してるなと思いました。私自身が幸せだなと感じるのもノエチと同じで、この世界の中に生きていて、自分ができることを見つけられるというのが自分にとっての幸せだなと思います」 小林 「私もそうです。自分にとっての幸せや、幸せの循環というのは、自分が優しくしてもらってうれしかったことを、人にも同じように少し優しくしてあげて、それが循環していくのがいい流れなのかなと。本当に小さなことだと思いますが、何よりも心身ともに健康でいられると自分に余裕もでるし、余裕ができると人のことももっと考えられてあげられるし、そういうところから幸せが少しずつ広がっていくのではないかなと思います」 小泉 「その循環がどんどん大きくなって地球自体が円になったら、本当に幸せな社会になるのかなと思えたりしますよね」
――この作品ならではの注目ポイントや楽しみ方がを教えてください。 小泉 「やっぱり、同じ間取りなのに住む人や家具でインテリアがこんなに違うんだというのは毎回楽しみですね。プラス、その部屋にどんな人が住んでいるのか。これから登場するさまざまなキャストさんにも注目してほしいです」 小林 「ある世代の人には刺さる歌謡曲が出てきたり、あの時代にあれあったよねみたいな懐かしさとか、その世代の人が分かるようなキーワードみたいなものを拾いながら見ていただけたら面白いかも。若い人には分からないかもしれないですけど、ある世代には響くみたいな“あるある”を楽しんでください」 ――最後に、若い世代の方へ向けた注目ポイントと、視聴者へ向けてコメントをお願いします。 小林 「ノエチとなっちゃんにも、20代、30代とか、その時代ごとにそれなりに大変なことがあって、もがいたり悩んだりしたと思うんですけど、いつの間にか50代になったらこんなに楽になっていったよ、みたいなことが待っているかもしれないですよと伝えたいです」 小泉 「今の若い方の中には、昭和の頃の文化に興味を持ってくださっている人たちもいる。インターネット上でタイムトラベルをしているような方たちにはグッとくるアイテムもいっぱい出てきます。懐メロとか、花柄の家電とかね」 小林 「原作の雰囲気をうまくドラマに仕上げてくださっています。ごく普通の日常を切り取って、余白の部分が多い物語です。団地という環境の中でいろいろな人が暮らしていて、その人たちの周囲との関わり合い方が温かいので、今の時代にみんなが求めているような、ホッとできるような関係性が描かれているところが、本作の魅力の一つなのではないかなと思います」
【番組情報】
プレミアムドラマ「団地のふたり」 NHK BS/BSプレミアム4K 毎週日曜 午後10:00~午後10:49
取材・文/松下 光恵