小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」
小泉 「橋爪さんたち先輩方は、皆さん元気ですてきなんですよ。オシャレだし。丘さん、由紀さんともさまざまな話を撮影の合間にしたりして、本当に幸せでした。名取さんもそうですが、やっぱり先輩方の話を聞ける機会があるのはうれしいですね」 小林 「本当に、楽しかったです」
――ドラマの中で印象に残ったセリフやシーンはありますか? 小泉 「全部です!」 小林 「ノエチが、自分が書いた本が売れないからネットのフリマサイトで販売しようとするシーンで、安価で購入されたとしても、1人でも自分の本を読みたいと思ってくれてた人がいるのはうれしいみたいなセリフがあるんですけど、その言葉がポジティブで救いになることがあるなと思いました」 小泉 「誰か1人でも欲しい人がいるということを気付けるなんて、ネットのフリマサイトはいいシステムだよねってノエチが言うんだよね。あと、本当に団地が美しくて、あそこの団地から見える夕日とか、その周りの自然とか、“団地時間”みたいなものが切り取られていて、そういう世界観も好きでした」
――食事のシーンも多いですが、印象に残っている料理があればお伺いしたいです。 小林 「何をいただいてもおいしいんですよ。フードスタイリストさんが、手の込んだ野菜の精進料理みたいなものを作ってくださるのですがどれもおいしい。年越しそばは、シンプルなのにおだしが格別でした。カットがかかると新しいおだしに交換してくださるんですが、そのたびに初めて食べたみたいな感覚になって感動しちゃいました」 小泉 「お豆腐のステーキもおいしかったです。お豆腐はよく買うけれれど焼くという発想がなかったから、これは家でも作ろうと思いました」 小林 「そういうヒントになる食事がいっぱいなんですよね」 小泉 「かき氷もおいしかったね」 小泉・小林 「全部おいしいです!」
――ところで、今回はノエチ役が小泉さんでなっちゃんを小林さんが演じると決まった時、どう思われましたか? 小泉 「出演が決まって原作をいただいて読んだ段階で、『どっちがどっちの役だと思う?』と、2人で話したのですが、2人とも『どっちもありだよね』と言っていたんです」 小林 「ね、どっちもありかなって」 小泉 「私がなっちゃんで、聡美さんがノエチ役でもおかしくない。だから、2人を混ぜて出来上がった、一つのキャラクターというか…」 小林 「そんな一つのキャラクターを分けて2人にした、そんな感じがしています。どっちがどの役になっても違和感なくできたのではないかな、というぐらいどちらも近しいテイストがある役ですね」 ――撮影をされていく中で見えてきた、ご自身が演じる役の人物像があれば教えてください。 小林 「私は途中で分からなくなってきました」 小泉 「そうなんですよ。私も途中から分からなくなったので、目の前に起こっていることに反応することに集中しようという気分になっていました。最初は模索しながら演じていたのですが、そこに2人のやりとりや、団地の住人たちとの絡みとかが加わってくると、なんだか分からなくなってきて、この中で生まれるノエチを楽しもうと思いました」 小林 「導入部分で、なっちゃんはこういう人だなって視聴者の方に伝われば、多少のブレは多めに見ていただけたら…」 小泉 「中盤から後半にかけて、2人がけんかをするシーンがあるのですが、そこで初めて2人の深い性格が分かったりね」 小林 「こういうところでイラッとしていたんだ、とか、そういうところで人物像が改めて分かるということが途中でありました」