パウエルFRB議長、退任後に理事続投するかはコメントせず
[14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は14日、2026年5月の任期まで議長を務めるとしつつも、任期満了後もFRBに理事としてとどまるかどうかについてはコメントを控えた。 理事続投を検討するかという質問に対し、「議長としての任期を必ず全うする」と応じた上で、「それが私が決めたことの全てであり、考えていることの全てだ」と述べた。 パウエル氏の理事としての任期満了は28年1月。議長退任後に理事にとどまれば、1948年1月に議長を退任し、51年7月まで理事を続投したエクルズ氏以来となる。 トランプ次期米政権の財務長官候補に目されている投資家スコット・ベッセント氏は先月、投資情報誌バロンズに、次期大統領がパウエル氏の任期満了のかなり前に後任を指名して上院で承認する案に言及。「影のFRB議長」を据えることで「フォワードガイダンスの概念に基づけばパウエル氏の発言を誰も重視しなくなる」と述べていた。 同氏はその後、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、この案が検討に値するとはもはや考えていないと述べたが、パウエル氏を公然と批判するトランプ氏が2期目にFRBの独立性を脅かす可能性が懸念されている。 トランプ氏の指名が今後必要となるFRB首脳人事は、26年1月に任期満了を迎えるクグラー理事の後任。 クグラー氏は14日、ウルグアイでの講演でFRBの独立性の話題に多くの時間を割いた。「中央銀行の独立性が、政策・経済で良好な結果を出すのに必須であることが広く認められている」と語った。 パウエル氏はクグラー理事の発言について問われると同感だと述べ、FRBの独立性は議会の共和・民主両党に広く尊重されていると指摘した。