〈食べログ3.5以下のうまい店〉名店出身のシェフとソムリエのW主演を果たす大阪フレンチの新鋭
巧妙なスパイス使いはデザートに至るまで
お楽しみのデザートは「林檎 珈琲 芭蕉実 スパイス」。 バナナとオレンジのクーリ(濃厚なソース)に、カラメル色になるまでソテーしたリンゴを忍ばせ、コーヒークリームを添えている。クランブル状の生地は、ベルギーの伝統的なスパイスクッキー・スペキュロス。実は、シナモンやカルダモン、クローブや黒胡椒などを配合したスペキュロスに至るまで自家製なのだ。
頬張れば、バナナとオレンジの甘酸っぱさに続き、リンゴのまったりとした甘み、フレッシュな林檎のサクサク感。さらには、コーヒークリームの高貴な香り、スペキュロスの複雑なスパイス感が追いかけてくる。一口味わうごとに、異なる表情を見せるデザートに、大満足のフィナーレとなるのだ。 これらコース料理に合わせるワイン、そしてノンアルコールのペアリングも「ル プログレ」ならではの強み。少し紹介させていただこう。
季節らしさと個性が光るペアリング
前日までの要予約で、ティーペアリングを楽しませてくれる。「日本茶をベースにハーブやスパイス、ドライフルーツを使って氷温水出しでご用意します」とはソムリエの磯口さん。 品書きには「時季のノンアルカクテル」や自家製ジンジャーエールなど、考え抜かれたノンアルコールドリンクが単品でそろう。
ちなみにワインペアリングは、シャンパーニュ含むハーフグラス(約60ml)を、料理とともに。フランス産をメインに、イタリア、ドイツ、日本産は甲州ワインも。独創性のあるシェフの料理に寄り添うペアリング、磯口さんに身を委ねるのがいいだろう。 船井さん「個人的には、ワインも最高ですが、酔わないお茶のペアリング、しかも磯口さんの緻密な味づくりには「たまにはお酒抜きでもいい」という気分にさせてくれます。」
クラシカルなフランス料理の技術をベースに、日本の食材、風土に合わせた「素直においしい」を表現する梅谷シェフ。 厨房で味づくりと真摯に向き合うシェフがいて、誰をもリラックスさせてくれるトークとその引き出しで場を楽しませてくれる磯口さん。スタッフ・津﨑雄聖さん(写真左)も、ヴァリエでアルバイトをしていたそう。