中国のSNSに“反日”氾濫──地方政府幹部「我々の規律は日本人を殺すこと」 当局、男児殺害は「偶発的」主張…どう対応?
日テレNEWS NNN
中国南部の深センで日本人の男児が殺害された事件の後、地方政府幹部が悪意ある投稿をSNSに書き込んだと報じられました。中国では反日的な投稿がネット上にあふれていますが、当局は事件について「偶発的」と居直り、暖簾に腕押しの対応に終始しています。
■男児殺害事件の後にSNSへ書き込み
藤井貴彦キャスター 「香港メディアによると、中国・四川省の地方政府幹部で『副県長』という立場にある人物が、『我々の規律は日本人を殺すことだ』などとSNSに書き込んだということです。カンゼ・チベット族自治州新竜県の黄如一副県長です」 「中国のSNS上でも『教育を受けた幹部として非常に残虐だ』など批判の声が上がっています。副県長の書き込みは、深センで日本人の男子児童(10)が殺害された事件の後に行われていて、現在、当局の調査を受けているということです」
■中国のIT大手、アカウント閉鎖も
小栗泉・日本テレビ解説委員長 「中国で日本の大使を務めていた垂秀夫さんは『中国のSNSには、悪意や誤解に満ちた投稿が氾濫している』と指摘しています」 「実際に、『現在(日本人学校には)スパイが浸透している』などといった悪意のある投稿は数百本存在するといいます」 「(日本人学校のスクールバスが襲撃された)6月の蘇州の事件や今回の事件の後には、微信や快手など中国の複数のIT大手が、中国と日本の対立をあおったり、有害な情報をねつ造したりしている一部のユーザーに対して、アカウントの閉鎖や処分を行っています」 「これは中国当局の意向を反映した新たな規制とみられていますが、それでも悪質な投稿は後を絶ちません」
■国連総会で会談も…議論は嚙み合わず
藤井キャスター 「今後、日中両政府はこうした状況にどう対応しようとしているのでしょうか?」 小栗委員長 「国連総会の場を利用して日中の外相会談が行われました。日本の上川外務大臣は、中国のSNS上でのいわゆる“反日的な投稿”を早急に取り締まること、そして犯人の動機を含む一刻も早い事実解明と日本側への明確な説明を求めました」 「ただ、中国の王毅外相は偶発的な個別事案だとした上で、『日本側は冷静で理性的に、政治的な問題として拡大することを避けるべきだ』と述べたということです。これに対して、日本政府側が反論したかどうかは明らかになっていません」 藤井キャスター 「両政府立場はあると思いますが、議論が噛み合っていないですね」