トヨタとヒョンデが「民間外交」 クルマ好きTOPの交流で何が見えた? 協業もある得る? 「水素はアジアから」は実現するのか
ちなみにこの場でラリージャパン2024の太田稔彦実行委員会会長(=豊田市市長)から、「2026年から2028年までの3年間、豊田市を拠点としてWRCを開催することについて、WRCプロモーターと契約締結した」と言うサプライズ発表もありました。 日本と韓国には時差がなく、飛行機だと約2時間ちょっと、更に船を使えばクルマでの行き来が可能です(一時的な輸入通関が認められている)。 今回のイベントで「クルマ好きには国境がない」が解ったので、今回で終わりではなく、来年以降も是非続けてほしい、いや続けなきゃダメでしょう。 今回のイベントによりトヨタとヒョンデの関係がより近づいた感じがしますが、その先には何があるのでしょうか。筆者はズバリ「水素連合」じゃないかと思っています。 両社は共に「水素はモビリティからはじまり持続可能な社会を構築する上での重要な柱になる」と認識しており、古くから絶え間ない研究開発を進めてきています。その結果、日本と韓国は水素技術で世界最先端にいますが、残念ながらビジネスとしてはどちらもまだ軌道に乗っていないのが現実です。 次のステップに進むためには、今回のイベントと同じように、「競争は大事だけど、協調するところは協調しよう」と言う考えがとても大事になってきます。 これまでトヨタはBMWやダイムラートラックと水素に関する協業を進めてきました。対するヒョンデはGMやVWグループのシュコダと協力関係を構築しています。 そんな両社がタッグを組んだらどうなるのでしょう。これまで自動車産業は「欧米から」が定説でしたが「水素はアジアから」が実現できる可能性があるかもしれません。 ちなみに今回のイベントの展示ブースを見ると、トヨタは現在もモータースポーツで鍛え続けている水素エンジン搭載の「GRカローラ」と水素エンジン搭載の試作車両「AE86 H2コンセプト」を展示。 対するヒョンデは水素燃料電池+ハイブリッドを搭載したローリングラボ(モータースポーツから着想を得た高性能技術や特定の電動化技術を量産モデルに適用する前に研究開発と検証を行なう車両)の「N Vision 74」を展示と、共に水素が燃料となるモデルです。