「すしざんまい」の社長は、なぜマグロの初競りで「1億円」以上のお金を払うの?「1皿数百円」では大赤字だと思うけど、そんなに宣伝効果があるものなのでしょうか?
毎年お正月になると、マグロの初競りのニュースを目にする人もいるのではないでしょうか。マグロの初競りと聞いて、「すしざんまい」の社長を思い浮かべる人もいるかもしれません。過去には3億円以上でマグロを落札し、メディアでも大きく取り上げられました。その際の独特なキャラクターも話題を呼び、すしざんまい(株式会社喜代村)の木村清社長の人気と知名度を高めました。 マグロの卸売価格は通常1キログラムあたり1万円程度ですが、3億円以上で落札された際の単価は120万円にもなったということです。宣伝費としての意図があると考えられるものの、それだけの金額に見合う効果は得られたのでしょうか? 本記事では、マグロの初競りにおける宣伝効果を検証するとともに、初競りの文化的背景について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
巨額落札で得られる宣伝効果
結論から言うと、すしざんまいは初競りにおける宣伝効果として、驚異的な成果を上げています。例えば、2019年の初競りでは、278キログラムのマグロを3億3360万円で落札し、ニュースやテレビ番組などで全国的に連日取り上げられました。 一般的に撮影を伴うテレビCMは制作費が300万円~1000万円以上、放映費もキー局であれば15秒のCMでも1回あたり75万円以上かかります。しかし、初競りの様子が報道されたことで、これらの費用をかけずに無料で宣伝できたと言えるのではないでしょうか。 民間の放送テレビ局は130局ほどあります。仮に全ての局で15秒間報道されたとして、CM単価を1000万円で計算すると、約13億円の広告効果が得られることになります。たとえその半分の局での報道だったとしても6億5000万円にもなります。 さらに各局が朝・昼・夜の3回報道した場合、39億円に達する計算です。これに加え、現代ではネットニュースや地上波以外の放送局も多数存在するため、宣伝効果は、マグロの落札価格である3億円を大きく上回っていることが予想されます。