“地球にやさしい”シャンパーニュを、標高600mの大自然で味わった日
この度、シャンパーニュ・メゾン「テルモン」さんのイベント取材で初めて山陽地方に足を運びました。場所は、国立公園にも指定されている岡山県真庭市の蒜山高原。空気が澄んだ標高600mの地だからこそ感じ取れた、同社の意気込みをリポートします。
環境活動家レオナルド・ディカプリオも出資するメゾン「テルモン」
徹底したサステナブルな取り組みが、ここ日本でも注目され始めているシャンパーニュ・メゾン「テルモン」。1912年の創業当初から生態系や環境に配慮した姿勢を保ち続ける同社ですが、2023年11月現在ではエステート内のなんと約87%の畑がオーガニック認証の取得を達成したことが、その大きな証左です(シャンパーニュ地方全体では、認証を取得した畑は4%にとどまる)。 殺虫剤・化学肥料を使わない、生物多様性を重視した農法。母なる大地、テロワールへ最大限の敬意を表しつつ、空輸をしない、ギフトボックスを使わない、使用電力は100%再生可能エネルギーへの変換を実現するなど、SDGsに対する本気度がとにかく凄い! これに賛同したオスカー俳優で環境活動家のレオナルド・ディカプリオ氏が、2022年に同社の主要株主となったことも話題になりました。 「たとえ非効率的と言われても、生産量が落ちたとしても、将来の地球環境、次の世代のために何ができるのか真剣に考えることのほうが大事ですから」と、ブランドアンバサダーのローラン・ペロダン氏。
そんなSDGsに紐づく活動の一環として、2023年からテルモン社が日本国内で本格的に始めたのが、同様の価値観をもつ地方自治体とのコラボレーションです。地熱発電で有名な新潟県・松之山温泉に次いでタッグを組んだのは、岡山県真庭市。今回、その発表会の場にお邪魔させていただきました。 東京駅から新幹線で岡山駅まで約3時間半、そこからバスで約1時間半かけて北上して、はるばる鳥取県に隣接する蒜山高原へ……。光が、空気が澄んでいて遠くに山々が望める環境は朝方までいた東京とあまりにも違い、とまどいながらも次第にカラダの緊張がほぐれていくのを感じました。 発表会が開催されたのは、蒜山高原の中心にある「GREENable HIRUZEN」で異彩を放つパビリオン。隈 研吾氏が東京・晴海で建築した建物の杉材を移築して造ったという、まさに現代のSDGs時代を象徴するような存在感を放っていました。 そして、内閣府がバックアップするSDGs未来都市に指定されている真庭市は、東西20km・南北10kmの西日本で一番広い蒜山(ひるぜん)高原や標高1700mの大山を有する自然豊かな地域。 「2023年は自然再生エネルギー使用率が全体の60%を超え、今後も循環型の経済を目指す」と市長の太田 昇氏が話したことからも、両者が互いの指針に共鳴し合っていることが窺えます。