なんだ、このニオイは…年金22万円・元公務員の80代の父がひとり身を横たえていた、衝撃の場所【50代長男の後悔】
「あれ…?」久しぶりに訪れた実家に感じた、強烈な違和感
仕事と妻の両親の介護サポートに追われる鈴木さんだったが、海外暮らしの妹からの突然の電話で、父親の危機的状況を知る。 「妹は12時間近い時差のある国にいるため、ほとんど電話はしないのですが、土曜日の夜、いきなり電話をかけてきたのです」 鈴木さんの妹は父親の誕生日に電話をしたが、そのときの会話がまったくかみ合わず、様子がおかしいと感じ、兄である鈴木さんに連絡したのだった。 「お兄ちゃん、お父さんに電話をしたら、様子がおかしいの。私がだれかもよくわかってないみたいだし、全然話が成立しないの。様子を見に行ってあげて!」 「えっ、そうか? 先月も電話したけど、別にどうってことなかったような…」 「いいから、様子を見に行ってあげて!!」 鈴木さんの妹が〈絶対におかしい〉といい張ったため、鈴木さんは翌日、疲れた体を引きずって車を運転し、久しぶりに実家を訪れた。 「――あれ?」 門から玄関までのアプローチは膝の高さまで雑草が生い茂り、2階はすべて雨戸が閉まっている。門柱のインターフォンを鳴らしても応答がない。 「いないのかな?」 預かっているスペアキーで玄関を開けたとたん、脳を突き抜けるような悪臭が立ち込め、鈴木さんは思わず顔をしかめた。 「なんだ、このニオイは――!」
すさまじい臭気のなか、父がひとり横たわっていた場所
思わず刺激に息を止め、薄目になりつつ目を凝らすと、玄関正面から部屋の奥まで延々と広がる、大量のゴミと思しきものが見えた。 「父は、食べ終わった納豆の容器が放つすさまじい臭気のなか、リビングのソファにひとり、横たわっていました。本当に脳を突き抜けるような、すごいニオイで…」 鈴木さんは慌てて声をかけたが、反応は鈍い。 「すぐに、妹がいっていた認知症だと直感しました。妻にも即連絡して事情を話しましたよ。いまは施設入所の準備を進めているところです…」 「家事サービスの会社は、自分で断ってしまったようでした。他人が家に出入りするのがストレスだったのでしょうね。毎月の電話では普通に思えたのですが、いま考えると、生存確認程度で、長く話すこともなかったので、様子の変化に気づけなかったのかも…」 内閣官房の資料によると、70~74歳で4.1%だった認知症有病率は、75~79歳で13.6%、80~84歳で21.8%、85~89歳で41.4%と上昇。また認知症患者の今後の推移については、各年齢の認知症有病率が一定の場合2025年に675万人、2030年には744万人、2040年には802万人と、高齢者の5人に1人は認知症。さらに各年齢の認知症有病率が上昇する場合では、2040年に953万人、高齢者の4人に1人が認知症を発症するとされている。 子どもにとって、自分の親が認知症という状況は認めがたく、現実を直視できないケースもあるようだ。しかし、70代、80代ともなれば、いつ認知症の症状が出てもおかしくはない。離れて暮らす親であっても、できる限り足を運んで直接様子を見るなどして、しっかりと見守っていくことが大切だといえる。 [参考資料] issin株式会社『高齢の親の健康と生活に関する調査』 内閣官房『認知症年齢別有病率の推移等について』
THE GOLD ONLINE編集部
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