「日本のゴルフでハイソックスは無意味」ってどういうこと!? 理由は“ゴルフ伝来”の時代にまでさかのぼる?
ハイソックスを履く本来の目的は「トゲから脚を守るため」
女子プロのトーナメントでは、ハイソックスをはいている選手をよく見かけます。また、ゴルフ場のドレスコードでも短パンやスカートをはく際は、ハイソックスの着用が推奨されているところが多いです。 【写真】海外ツアーで見つけた“クセがスゴすぎる”ソックス7選
しかし中には、「日本のゴルフでハイソックスをはいても意味がない」という指摘もあるようです。一体どういうことなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。 「ゴルフにおいてハイソックスをはく文化が生まれたのは、競技ゴルフ発祥の地でもあるイギリス・スコットランドとされています。スコットランドには“リンクス”と呼ばれる海岸沿いの荒涼とした土地を元にしたゴルフ場が多数存在し、そういったコースには“ハリエニシダ”というマメ科の植物が自生しています」 「ハリエニシダは背丈が低い樹木で黄色い花を咲かせ、枝の部分に鋭いトゲを持っているのも大きな特徴です。万が一ボールをブッシュに入れてしまったら、プレーヤーはトゲだらけの中をかき分けていかなければなりません。当時一般的なウエアとされていたニッカポッカから素肌が見えていると、トゲが刺さったり引っかかってケガをするリスクがありました」 「そこで、脚を完全に隠すためにニッカポッカの下にハイソックスをはくというスタイルが定着し、日本にゴルフが伝来した際、一緒にこのファッションも取り入れられました。しかし、日本にはハリエニシダのようなトゲのある植物はほとんど生えていないため、ハイソックスを履くのは『無意味なこと』と指摘されるようになったのです」 また、ドレスコードやマナーに厳格なゴルフ場では「すね毛が見えていると不潔に感じられる」ことから、短パンをはく際はハイソックスの着用を義務付けたところもあったといわれています。 多くのゴルフ場ではこうした名門コースのルールやしきたりを参考にドレスコードを定めていった背景があり、「短パンにハイソックス」というスタイルが広まっていったのです。 現在もその流れを厳格に守っているところも見受けられますが、飯島氏は「そういったファッションセンスは時代とズレが生じてきており、新規ゴルファーをもっと受け入れたいのであれば、個人的には廃止してもいいと思う」と話します。 ちなみに、かつてスコットランドでニッカポッカがウエアに採用されていたのは、「卵を産む」という不正行為をさせないためだそうです。ニッカポッカの裾は内側に絞ってあります。これによりOBや林に入ったボールを探すふりをして穴の開いたズボンのポケットからボールを落とし、あたかもOBをまぬかれたように見せかける行為を防げるのです。