医者芸人・しゅんP「基準値内だから安心」というのは実は危険かも…健康診断の結果に一喜一憂する前に考えたいこととは
◆検査結果に一喜一憂する前に考えるべきこと こんな感じで、僕にとって客観的な指標としての数値やデータ、そこから導き出されるエビデンスは大事なのですが、そこで注視しなければならない点は医療の現場における「基準値」ってどうやって決めているのかということ。 全国健康保険協会の資料によると、基準値とは、20~60歳くらいまでの“健康な人”の検査結果をもとに、そのうち上限と下限の2.5%を除いた残りの95%の人たちの数値。 でも“健康な人”の定義ってなんでしょう? しかも、従来の健康の基準値はたびたび見直されていて、その度にこれまで病気だとされてきた人たちが健康体と見なされたり、逆に基準値に収まっているから健康体だと思っていたのに、いきなり病気予備軍になってしまったり。 患者さんにとっては一大事ですよね。 ヨシモト∞ホールにも、ネタバトルによるピラミッド型のランキングシステムがあり、かつて僕も出ていました。吉本の社員さんや作家さんら審査員からの高得点を獲った芸人はピラミッドの上の層に上がっていき、MCの仕事が増えたり、TV番組のオーディションに行けたり、作家さんに覚えてもらえたりします。 当時は上の層に行けるよう周りの芸人たちとしのぎを削っていたわけですが、今振り返ると、どんな審査員に当たるか、どんなお客さんが観覧されるかは運でしかなかった部分もあると理解しています。 今の僕であれば、点数の割り出し方のエビデンスを求めたり仮説を立てるので、あの時のように数字の上がり下がりに振り回されることもなかったなぁ、なんて。 それほどに数字とは、確かなものであると同時に、エビデンスがはっきりしなければ曖昧さもはらんでいるものだと僕は思っています。 だから検査結果で基準値範囲内であっても、慢心せず、気になることがあるなら病院に行くのが手っ取り早い。
◆一喜一憂させる判定区分 そして、基準値とひもづいて僕たちをホッとさせたり、がっかりさせたりもするのが「判定区分」です。 A異常なし B軽度異常 C要再検査・生活改善 D要精密検査・治療 E治療中 いつも思うのですが、検査結果の表現ってなんだか物々しくないですか? 「異常なし」だとしても「異常」の2文字のインパクトが強すぎますし、「再検査」などいやが応でも不安をあおられてしまいます。 しかも医者目線で言うと、C判定でも検査項目によって“深刻度”に違いがあります。 どう受け止めたらいいかわからない! ということで、最後に、僕なりの表現で検査結果を実際に患者さんに説明するようにかみくだいてみました。 笑いの処方せん 結果表だけでどこまで信じるか、信じないかはあなた次第でシュッ! ※本稿は、『40歳を過ぎるとなぜ健康の話ばかりしてしまうのか?』(ヨシモトブックス)の一部を再編集したものです。
しゅんしゅんクリニックP
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