10月から先発薬の自己負担額が上がる!対象は1000品目も→リアルな金額を薬剤師に聞いた「知らないと損する!」
どうやって対象薬を知ることができる?
ーー今回の動画で紹介されていた薬以外に、どのような薬が対象か、知る方法はありますか? 「厚生労働省のウェブサイトにある『長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について』の対象医薬品リストを参考にしてみてください。風邪をひいたときによく出される『ムコダイン』や、花粉症などに使われる『アレグラ』など、ほぼ全ジャンルに対象薬があります」 ーー「先発品と後発品の価格差額の25%分、自己負担額が増える」ということですが、具体的に計算式を教えてもらえますか? 「3割負担という想定で、ヒルドイドの場合の計算をしてみますね。ちょっと複雑ですが、詳細にお答えすると、以下のように算出します。 処方量: 100g(※2024年6月13日現在の薬価 後発薬がニットーの場合で計算) 【先発薬】ヒルドイド:18.50円/g 18.50円/g×100g=1850円 【後発薬】ニットー:3.2円/g 3.2円/g×100g=320円 差額は1850円ー320円=1530円。この差額の25%が「選定療養部分」と言われるもので、そこにさらに消費税を加えた価格となります。 【選定療養部分】1530円×0.25=382.5円 【選定費用部分の消費税】382.5円×0.1=38.25円 【選定費用部分+消費税】382.5円+38.25円=420.75円 ≈ 421円 【3割負担基準額】1850円ー382.5円=1467.5円 【3割負担額】1467.5円×0.3=440.25円 ≈ 440円 【患者負担総額】421円+440円=861円 【現在のヒルドイド負担額】1850円×0.3=555円 【現在と10月以降の負担額差】861円ー555円=306円 この計算のように、ジェネリック医薬品ではなく先発薬のヒルドイドを使用する場合、現行の負担額から306円増加することになります」 ーー確かに一見すると小さな額にも思えますが、定期的に常用している薬の場合は、意外と負担額が大きくなりますね。それでも、諸事情により先発薬を希望することは可能ですか? 「医師の判断や薬剤師による判断も考えられます。本人の希望に治療上の正当性などがある場合や、医療上必要な場合などについては増額対象にしないということも検討されているようです。でもまだ、そこまでの詳細が告知されていないですね」 ーー今後もこうした値上げ対象薬が出てくる可能性はありますか? 「あると思います。今回のものでいうと、大多数の方が後発品を使用しているものということなので、同じように後発品の使用比率が高い薬剤については、切り替えのための施策があると思います」 対象の薬は増えることがあれど、減ることはなさそう。自分の常用薬について不安や疑問がある場合は、早めに医師に相談しておくのが良さそうですね。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)
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