防府読売マラソン10km過ぎから独走した小林香菜、終盤もペース上げ笑顔のゴール…大会新記録
陸上・第55回防府読売マラソン(1日・山口県防府市キリンレモンスタジアムソルトアリーナ防府前―同スタジアム陸上競技場)――男子は初出場の中西亮貴(トーエネック)が2時間9分7秒で制した。32キロ付近で先頭集団から抜け出し、逃げ切った。52秒差の2位に山本翔馬(NTT西日本)、3位は宮沢真太(スズキ)。女子は小林香菜(大塚製薬)が大会記録を更新して初優勝した。(スタート時=晴れ、気温13度、湿度60%、北西の風0・1メートル) 【一覧表】防府読売マラソン成績
笑顔でゴールに飛び込んだ小林は、「信じられない」と声を弾ませた。1月の大阪国際女子でマークした、2時間29分44秒の自己ベストを4分45秒も縮める快走。大会記録も更新する圧勝だった。
序盤から事前に設定した1キロ3分25秒のペースを目安に走り続け、10キロ過ぎに単独トップに立った。11月24日の全日本実業団対抗女子駅伝にも出場していたため、中間点を過ぎてからは「どれだけ体が動くか」と未知数だったが、30キロ以降もペースを上げる粘り強さが光った。
早大では陸上部ではなく個人で競技を続けた。大塚製薬には、監督に電話して練習に参加し、入社をかなえるなど道を切り開いてきた。勝利の余韻に浸る間もなく、来年の大阪国際女子に向けて米国での高地合宿に出発予定という。「この結果におごらず、もっと速い選手に挑戦していきたい」。まさに今が伸び盛りの23歳だ。(崎田良介)