「心の病かも」精神科の受診を検討する5つの基準、家族は「患者からのシグナル」を見逃さないで
緊急性がある場合には、都道府県の精神科救急医療システムを利用します。そして、精神科救急情報センターや警察の協力を得て強制入院になります。この場合でも、できる限り、患者さんに入院の必要性を理解してもらえるほうが、入院のトラウマが小さくなり、病状の回復が良くなります。 ■精神科への相談を考える「5つの兆候」 それでは、どういう症状が現れたら精神科医に相談するといいのでしょうか。基準とされているのは5つです。2週間以上前から、次の症状がある場合は要注意です。
①多弁になったり、悲観したり、人と接するのが苦痛になるなど、心に何らかの異変が生じている ②イライラしたり、多量飲酒や過度の買い物をしたり、ふさぎ込んだりなど、行動に何らかの異変が生じている ③眠れなかったり、おなかの調子が悪かったり、体がだるかったり、頭痛が続いたりなど、睡眠障害や食欲障害などがある ④強い不安に怯えることがあったり、異様に強気になることがあったりなど、異常に情緒が不安定である
⑤会社や学校に行けなくなったり、仕事がまったく手に付かなくなったりなど、日常生活、家庭生活、社会生活に支障をきたしている 患者さん本人ではなく、身近にいる家族や友人に気づいてもらいたいのが、次の6つです。患者さんが送られているシグナルと言ってもいいでしょう。 ①怒りやすくなっている、イライラしている ②気がふさいで、会社や学校に行きたがらなくなっている ③家族との会話がなく、部屋に閉じこもる ④家族にあたってくる。家族にクレームが増える
⑤多弁になったり、大騒ぎしたりなどの異常な行動が目につく ⑥大量にお酒を飲んだり、異常な買い物をしたりなど、何か依存することがある うつ病かどうかを見極めるのも簡単ではありません。というのは、患者さんに現れる症状は、うつ病の診断基準にある症状の一部であることも多いからです。 ですから、患者さんや家族が、1つでも2つでも心の病の症状に気づいたり、おかしいなと思ったりしたら、クリニックを受診してほしいと思います。そのためにも、心の病の症状や特徴を知ることはとても大切なことです。とくに患者さんの家族は知っておくべきことだと思います。