「飼い主の希望に」 わが家の長寿犬が「世界最高齢」でギネス認定 人間なら100歳超天国へ
京都市中京区の民家で飼われ、昨年末に死んだ雄のミニチュアダックスフント「レオ」が、22歳と40日で「存命中の世界最高齢の犬」としてギネスブックに認定された。朗報を待たずに天寿をまっとうしたレオは人間に置き換えると100歳超。飼い主の女性は「日本の環境でも長生きできる。レオが他の飼い主たちの希望になれば」と願っている。 【写真】レオ22歳の誕生日、この40日後に 同区の長野律子さん(64)がレオに出会ったのは2001年だった。一軒家に引っ越したことを機にペットショップを訪れ、元気いっぱいに動き回る姿に一目ぼれ。家族の一員にすることを決めた。多い時で一日に3、4回出かけ、琵琶湖まで連れて行ったこともある。「『さ』と言うだけで、玄関まで走って行くほど散歩が好きだった」と振り返る。 ミニチュアダックスフントの平均寿命は15歳前後とされるが、レオはそれ以降も毎年元気に誕生日を迎えた。20歳になったころ、周囲から「ギネス記録を狙えるのでは」と言われるようになった。 ある日、ポルトガルの雄犬「ボビ」が30歳で世界最高齢に認定されたとの記事を読んだ。リードにつながず、自然に囲まれた環境で育てた成果だ、という飼い主のインタビューが目に留まった。長野さんは「うなぎの寝床のような狭い家でも長生きできる、ということを知ってもらいたい」と、昨年12月6日、ギネス社に記録を申請した。 一方、ボビの年齢を巡っては死後、証拠がないとして記録が取り消される事態となった。長野さんは疑惑が生じないよう、血統書や診察歴などを必死に集める中、昨年12月27日にレオはこの世を去った。3日前にクリスマスを祝った写真が証明になり、今年6月18日、「存命中の世界最高齢の犬(2023年12月24日時点)」に認定されたという連絡が届いた。 「一緒にお祝いしたかった」と長野さんは悔やむ。ペットロスから立ち直ろうと最近、ウサギやハムスターを飼い始めたが、当たり前のようにいたレオとの日々を忘れられず、時折、鳴き声が聞こえる気がするという。「子どもより長い時間、一緒に過ごすとは思わなかった。いろんな犬に元気に長生きしてほしい」。天国に旅立った愛犬に思いをはせている。