“100年に一度の変革期”に湧く長崎。注目エリア・島原半島の「地域活性化」を現地からレポート
ここ1年ほどで韓国、香港、中国などアジアからの訪日外国人の宿泊が増えており、15~18%の利用者が訪日外国人だという。客室は「スタンダード」(一泊二食付きで1人1万4,800円~)、と「ジュニアスイート」(同1万7,000円~)となる。 雲仙地獄のすぐ近くにある「雲仙温泉 雲仙宮崎旅館」は、22年にリニューアルオープン。耐震強度の基準変更に伴った建て替えで、雲仙の自然を存分に楽しめることに重点を置いて設計したという。
それまでは団体客用の宴会場を備える96室で運営していたが、宴会場が使われるケースが非常に少なかったため39室に縮小し、個人客のみを受け入れている。
最近は訪日外国人が増えていて、香港、台湾の宿泊者が目立つ。23年10月から長崎-上海間の直行便の運行が再開された影響で、中国の宿泊者も徐々に増えているそうだ。リニューアル前は70代以上の利用者が中心だったが、現在は40~50代が中心だという。
雲仙市観光局が実施した「観光動向調査」(22年6月~12月、806名に実施)によれば、同市の観光客は40代以上が約70%で、長崎と福岡在住者が約60%を占める。訪問形態は夫婦2人旅が最多で約39%だ。温泉や食事、自然などの満足度は高いが、レジャーや買い物、アクセスには課題が見える。 今後は20~30代の女性層やワーケーションなどの長期旅行者、訪日観光客も狙いたいという。SNSを中心としたプロモーションやインバウンド対応の強化が求められそうだが、見どころは増えている。さらなる観光産業の盛り上がりが気になるところだ。
取材・文:小林香織