“100年に一度の変革期”に湧く長崎。注目エリア・島原半島の「地域活性化」を現地からレポート
オープンから1年弱が経過した現在の状況をたずねると、カフェやコワーキングスペースは20~30代の若年層、ホテルは40~50代の利用者が多いとのこと。ホテルの価格帯は2名の素泊まりで3万2,000円~4万円ほどとなる。ホテルの利用者は約8割が国内の観光客、約2割が訪日外国人だという。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、江戸時代の町並みが残る雲仙市国見町の神代小路(こうじろくうじ)地区にも、築190年の武家屋敷を改装した一棟貸しのホテル「TOKITOKI(トキトキ)」が誕生した。
同地区で事業を営む一級建築士の境研伍さんが空き家になっていた武家屋敷を買い取り、歴史文化資源を活用した古民家再生事業等を手掛けるNOTE九州社(福岡県福岡市)と共にpatina社(パティーナ)(長崎県雲仙市)を設立、古民家ホテルに生まれ変わった。 「この地区はヒガンザクラが有名で、毎年『緋寒桜の郷まつり』が開催されます。この屋敷の前にもキレイな桜が咲くのですが、その後ろにある庭が荒れ放題で……。どうにかしたいと思い、買い取って改装しました」(境さん)
夕食は提供せず、近くのレストランを利用するほか、備え付けのキッチンで調理もできる。朝食は、神代商店街の老舗旅館「松栄旅館」が手がけ、地元の食材をふんだんに使った料理が食べられる。 想定以上に反響があり、宿泊者は長崎県以外の国内観光客だけでなく、訪日観光客もいたという。中には結婚パーティーの用途で利用する人もいたそうだ。2月中旬~末は桜が見頃とあってか予約が埋まっていた。大人2名の素泊まりで約5万3,000円~7万4,000円となる(24年2月現在)。
旅行者の受け皿となるホテルもリニューアル
本ツアーでは、1669年創業、19年にリニューアルオープンしたリゾートホテル「伊勢屋」に宿泊。一番のウリは毎分1万リットルが湧き出ているという温泉で、24室すべてに露天風呂があるほか、大浴場や少人数で貸し切れる家族湯も完備する。