「2026年に日経平均5万円、2050年に30万円」が大げさじゃない根拠 エミン・ユルマズ氏に聞く「今後の株価の見通し」
アメリカ大統領選のほか、中東情勢、ウクライナ戦争、中国経済など世界の先行きは不透明な状況が続く中、エコノミストのエミン・ユルマズ氏は日経平均株価について「2026年に5万円、2050年に30万円」と予測している。その根拠について聞いた。 ※記事の内容は東洋経済の解説動画『日経平均30万円予想の根拠と注目の投資テーマ』から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
■日本企業の業績は絶好調 ――2026年に日経平均が5万円、2050年には30万円と予測しています。その見通しに変わりはないですか? 変わらない。日本企業のファンダメンタルズが大きく改善し、日本にサプライチェーンが戻って日本経済が元気を取り戻し、かつマイルドなインフレが発生してくるという前提で立てた予想で、現時点ではそれが特に崩れたような展開にはなっていない。 引き続き日本企業というのは業績が絶好調ですから。これは『会社四季報』を見ればわかります。『会社四季報』を開くと、業績を集計した表(業種別業績展望)があります。前期、今期、来期で増収率、増益率は変わるけれども、全体で増収増益であることに間違いはない。
かつ、日本企業のガバナンスの改善、そして株主還元スタンスというのは明らかにいい方向に進んでいます。外国人投資家も日本に来て日本株を買っていて、今後もまだ続く。その意味での日本企業のアップサイドポテンシャル、つまり改善余地というのはまだまだ2合目ぐらいです。 もう1つは、そこには地政学的な状況が加わって、日本にサプライチェーンが戻ろうとしている。特に半導体、これは日本にとってはものすごく追い風になります。
あとはインフレです。理解しないといけないのは、私が言っている日経平均30万円に到達したときの30万は、今の30万(の価値)ではないですよ。今、日経平均が4万円だとして、今の4万円は5年前の4万円ではない。 自分がよく行っている飲み屋さんとか、遊びに行くときのお金で計算してもいいんだけど、今の4万円って5年前の4万円と違うんですよ。その4万円の中にはインフレ分が入ってます。 そうなると日経平均が30万円になったときの30万円というのは、本当はいくらなのかというのがポイントなんです。