「2026年に日経平均5万円、2050年に30万円」が大げさじゃない根拠 エミン・ユルマズ氏に聞く「今後の株価の見通し」
私は日本の場合、そんなに高いインフレが発生してくるとは思っていないですが、マイルドなインフレが発生してもそれが年々蓄積していきますので、実はそんなに大した高い数字を言っているわけじゃないんですよ。皆さん、それにまだ気づいていない。 要は数字そのものに重要性はなくて、日経平均が100万円になる可能性だってあります。大事なのはその100万円で何が買えるか。30万で30万にどれぐらいの購買力が残ってるかっていうのが大事です。
■インフレによってお金は目減りする もう1つ、私が言いたかったのは方向性です。 世の中がこれからインフレになってきて、新しい地政学的な状況、アメリカと中国の対立、覇権争い、いろいろなリスクを増やしますが、同時にいろいろなオポチュニティー(機会)も増やすので、日本はこれをつかみにいくしかない。 (インフレによって)これからお金が目減りしていくので、資産運用を誰もがしないといけないということ。自分が想定していた「老後にはこれぐらいで足りる」というお金は、自分がその歳になったときには絶対に足りないから、これだけは覚悟しておく。
それをちょっと上回るぐらいの資産運用での収益を目指していかないと厳しいというような世の中に私たちは入りました。 ただし、同時にいろいろなチャンスもありますし、大きく儲けるチャンスもあります。働いている現役世代にとって、インフレというのは基本的に追い風になる。というのは、これから賃金上昇が追いついてくるからです。 ただ苦戦するのは働いていない人たち。年金生活の年長者などにとっては厳しいといえば厳しい。
そのあたりは、政策でサポートするところだと思うし、たぶんやっていくと思う。ただ、どうしても国が決めるものというのは遅くなるし、不十分なところがあります。 ■成長が期待できるのはヘルスケア、代替エネルギー… ――エミンさんは安倍首相のころから地政学的な話をされていて、防衛関連の銘柄に言及されていました。先ほど半導体の話もありましたが、期待している有望な業界は? 長期的なものと短期的なものがあります。短期的なものは、首相が誰になるかによって変わる。石破さんが就任したから、防衛関連、防災関連だとか地方創生といったものが小さいテーマ。