新卒社員、「月給21万円」と聞いていたのに、振り込まれたのは「17万円」だった!「4万円」の差額の理由とは?「給与天引きの仕組み」を解説
楽しみにしていた初任給が、思っていたより少なかったと感じた人は多いでしょう。学生時代のアルバイトのときは「時給×働いた時間」だけ、しっかり振り込まれていたのに対し、会社員になるといろいろ引かれて、入社説明会などで聞いていた給与と差を感じ、納得できない人もいるかもしれません。 会社員になると法律に基づいて保険料や税金が引かれます。これが、もらえるべき給与(額面給与)と実際に振り込まれる給与(手取り給与)に差異が生まれる理由です。 本記事では、給料から保険料や税金が天引きされる理由と、引かれたお金の行方について詳しく解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
給与から天引きされるものには何がある?
給与から天引きされるものには次のものがあります。 ●所得税 ●住民税 ●健康保険料 ●厚生年金保険料 ●雇用保険料 ただし、4月に入社した新卒社員の場合、1ヶ月目は健康保険料と厚生年金保険料が引かれず、2年目の5月までは住民税が引かれないことがほとんどです。 天引きしたお金は会社のものになるわけではありません。所得税は所轄の税務署に、健康保険料と厚生年金保険料は日本年金機構にといった具合に、会社がそれぞれの機関に支払います。 また、会社によっては労働組合費や社宅利用料などが天引きされることがあります。 会社に所属していないフリーランスや自営業の場合は自分で税金や保険料を支払いますが、会社員の場合は会社が徴収係を担っているのです。
額面給与21万円の場合天引きされるのはいくら?
初任給21万円の新入社員が天引きされる目安の金額と明細は次の通りです。 ●健康保険料…1万978円 ●厚生年金保険料…2万130円 ●介護保険料…40歳以上が支払うものなので新入社員は天引きなし ●雇用保険料…1260円 ●所得税…3980円(扶養家族がいない場合) ●住民税…多くの新入社員は天引きなし ※東京都協会けんぽ・一般の事業の場合 加入する健康保険組合や都道府県や職種によって金額は異なります これらが引かれることにより、21万円の給与をもらっても実際に振り込まれる金額は17万3652円になるのです。なお、労働組合費や社宅利用料などが別途天引きされる場合は、手取り金額はもっと少なくなってしまいます。 学生時代のアルバイトであれば、多くの場合、給料が少なく所得税はかかりませんし、社会保険に加入していない場合がほとんどなので、額面給与と手取り給与がほぼ同じです。しかし、社会人になると天引きされるものが多く、しかも金額が大きいので驚いてしまう人も多いでしょう。