京都駅ビルに巨大壁画!? 27万人来場の「京都国際写真祭」が今春開催へ
13回目を迎える国際的な写真祭『KYOTOGRAPHIE 2025 京都国際写真祭』。今春4月12日からの開催にむけ、新たなテーマや世界10カ国からの参加アーティストなどの概要が発表された。 【写真】「京都で制作した新作を楽しみに」と呼びかけたコートジボワールのアーティスト 京都市内に点在する歴史的建物やアート拠点を回遊しながら、「写真」への理解を深める同企画。国内外の貴重な作品展示や来場者参加型プログラムが開催され、2024年は1カ月で27万人以上が訪れるなど、年々注目が集まっている。「伝統」のイメージが強く、年中インバウンドで賑わう京都だが、この写真祭はグローバルな文化に触れられる機会として、多くの国内来場者からも支持されているという。 毎回、現代社会を捉えたテーマを掲げ、2025年は「HUMANITY」。展示作品は、自らの経験が中心となっていて、1人1人の人間性を探し求める内容に。また、日本と西洋の異なる文化視点から、人間の営みの複雑さを浮かび上がらせる。同企画の共同創設者・仲西祐介氏は「社会課題が山積みの現代で、写真の力が他者への理解のきっかけになれば」と呼びかける。 メインプログラムには、世界10カ国から13組のアーティストが参加。市民参加型の壮大な壁画で知られるフランスのアーティスト・JRは、「京都駅ビル」壁面に新作を発表。今秋に京都の7カ所に移動式スタジオを構え、声がけした500名を撮影し、コラージュすることで「今の京都」の多様性が垣間見れる作品だ。「京都新聞ビル」では、その通行人へのインタビューから各自の人生ストーリーが感じられる作品も展開する。 さらに、世界中の「マスツーリズム」をユーモアに表現してきたイギリスのマーティン・パーは、このテーマにぴったりな京都で、開催直前に撮影する新作を発表。自身の黒髪などを作品にしていくコートジボワールのレティシア・キイは、今秋に京都に滞在し、商店街などをまわりながら制作した新作ポートレートを発表予定で、外国アーティスト視点のリアルな京都作品は、新たなおもしろさを発見できそうだ。 ほかにも、「女性像の構築」などをテーマに、自身が役柄に扮して物語のようなフォトパフォーマンスに取り組むインドのプシュパマラ・N、両親に男女逆の服を着せた結婚式の写真など、ジェンダーの平等を主軸とする台湾のリュウ・セイユウ、1970年代から現代まで沖縄の人々の暮らしを捉え続ける石川真生など、京都市内10カ所以上の会場に、世界の風景と人々に思いを馳せる貴重な空間が広がる。 開催期間は2025年4月12日~5月11日。料金は全会場に入場できる一般パスポート6000円(2月下旬から発売予定)ほか、単館入場は600~1500円で発売予定(一部無料会場あり)。これからの活躍が期待されるアーティストの発掘を目的としたアートフェス『KG+2025』も同時開催される。 取材・文・写真(一部)/塩屋薫