実は、適度に運動したほうが疲れない! 運動嫌いはどうしたらいい?【40代、50代・疲れ知らずの体をつくる生活術⑨】
「運動なんかしたら余計に疲れてしまう」と思っていないだろうか? もちろん運動のやりすぎは体を疲れさせる。しかし、適度な運動はかえって疲労を軽減することがわかっている。そこで、これだけは実践する価値がある運動について、内科医で疲労に詳しい工藤孝文さんに伺った。 「運動しなければと思ってはいても続かない」「そもそも運動が嫌いで習慣がない」「この年齢からやる気が起きない」そんな人も少なくないのでは? しかし、まったく体を動かさないでいると疲労は蓄積されていく。運動が苦手、時間がないという人も実践できそうな、とっておきの5つの方法を紹介しよう。
1. 運動よりも家事トレで消費エネルギーアップ!
わざわざジムに行かなくてもOK。運動効率が上がり、心も体も生活も整ってしまう、とっておきの方法がある。 「それは家事トレです! 運動以外の生活活動で消費されるエネルギーのことをNEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis:ニート)といいます。日本語では非運動性活動熱産生。 一日の総エネルギー消費量の内訳をみてみると、50~60%を基礎代謝、約10%は食事誘発性熱産生、それ以外の30~40%がこのNEATと運動です。 NEATは日常生活でやらなければならないこと、例えば洗濯や掃除、料理、買い物、仕事、通勤、犬の散歩、ガーデニングなどです。運動が苦手な人は、一生懸命に掃除をしたり、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を上る、パソコン仕事を立って行うなど、日頃からこまめに体を動かすことで、消費エネルギーを増やすことができるのです」(工藤先生) 厚生労働省でもNEATを増やすことを、生活習慣病の改善に役立てようと推奨している。運動するのが面倒、時間ない人ほど、家事で体を動かす家事トレを!
2. 朝の散歩で脳が目覚めてパフォーマンスアップ!
朝が苦手で「外出のギリギリまで寝ている」「いつも寝起きは不機嫌」「午前中はさえない頭と疲れが取れない体を引きずっている」、そんな状態で仕事や家事を行っていないだろうか? 「これを解消するには、朝の過ごし方を改革することから始めてください。ポイントは目覚めて30分以内に朝日を浴びながらウォーキング(散歩)をすることです。 これにより体内時計がリセットされ、就寝中のリラックスモードから活動モードへと切り替わります。歩いているときは安静時よりも血流がよくなるので、脳に届く酸素が30~50%増えることがわかっています。 さらに20分以上歩いていると、快楽ホルモンであるβ-エンドルフィンやドーパミンが、30分以上で快楽&幸せホルモンであるセロトニンが分泌されます。 こうして朝にセロトニンをしっかり分泌しておくと、夜に睡眠ホルモンであるメラトニンに変換されるので、質のいい睡眠が得られるようになります。そうすれば、朝が快適になり、よい循環が生まれます」 翌日に疲れを残さない良質な睡眠を得るには、朝の時間にかかっているのだ。