2024年『競馬界10大ニュース』を独自選定。“スマホ問題”で人気騎手が電撃引退、相次ぐ不祥事に負の連鎖が止まらず
夏競馬で史上初めて実施された”休憩”、悲劇の落馬事故
【第5位】『夏競馬で一部「昼休み」を採用』 夏の暑熱対策として、第2回新潟競馬において特に気温が高い11時半から約3時間の「昼休み」を採用した。第1競走から第5競走までを午前中に行ない、午後は15時10分ごろの第6競走(準メイン)から再スタートし、15時45分ごろの第7競走をメインレースと設定。最終競走は18時半ごろのスタートと、時間帯の拡大も同時に実施された。なお、同時開催の札幌競馬は休憩を設けず開催したため、ファンは途切れることなく馬券を楽しむことができた。 【第4位】『藤岡康太騎手が落馬事故で死去』 4月6日の阪神第7レースで藤岡康太騎手(35歳/栗東・フリー)が落馬事故で負傷。救急搬送されたが、同10日の午後7時49分に死去した。死因は「頭部・胸部の負傷」とされている。藤岡騎手はJRA通算803勝、中央重賞22勝(うちGⅠレース2勝)だった。同14日に皐月賞(GⅠ)を制したジャスティンミラノ(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)は前週まで藤岡騎手が調教をつけており、レース後のインタビューで戸崎圭太騎手は「勝利は康太が後押ししてくれたとつくづく思います。喜んでくれると思います」と謝意を表し、友道調教師も「この勝利は彼のおかげです」と嗚咽しながら語った。 また、深夜に函館競馬場の芝コースに自動車を乗り入れるという重大な非行があったため「騎乗停止処分」を受けていた角田大河騎手(21歳)が死去していたことが8月10日、JRAから発表された。遺族の意向で死亡日時や場所、死因などの詳細は非公表となっているが、電車との接触事故によって死去したものと見られている。 【第3位】『地方・中央の垣根を超える「ダート三冠」が始動』 ダート戦線の活況を受け、中央の芝三冠レースにならった『3歳ダート三冠競走』の設立に向けての施策に特別区競馬組合、地方競馬全国協会、中央競馬会などが合意。地方・中央の垣根を越えて2024年度から実施された。三冠競走はいずれも大井競馬場で行なわれ、一冠目の『羽田盃』(1800m)、二冠目の『東京ダービー』(2000m)、三冠目の『ジャパンダートクラシック(旧『ジャパンダートダービー』、2000m)で構成され、格付けは『JpnⅠ』となった。なかでも大きな変更点があったのはジャパンダートクラシックで、従来の7月から10月へと移設。本年は春シーズンを海外遠征に費やしたため前の二冠には不出走だったフォーエバーヤング(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)が優勝し、レースの格を一気に押し上げた。 【第2位】『海外GⅠ勝利は途切れるも、ビッグレースで日本馬が活躍』 2019年から続いていた日本馬による海外G1制覇の連続記録が23年までで途切れた。しかしながら、世界のトップオブトップを決めるようなビッグレースでの健闘が光った1年になった。特に目立ったのは米国での活躍で、フォーエバーヤングがケンタッキーダービー(G1)、ブリーダーズカップ・クラシック(G1)でともに3着。ブリーダーズカップ・ターフ(GⅠ)でローシャムパーク(牡5歳/美浦・田中博康厩舎)が2着、そしてシャフリヤール(牡6歳/栗東・藤原英昭厩舎)が3着に入った。その他、ウシュバテソーロ(牡7歳/美浦・高木登厩舎)がサウジカップ(G1)とドバイワールドカップ(UAE・G1)でともに2着し、フォーエバーヤングとともに日本馬がダート戦線でも世界と互角に戦える戦力を持つことを証明した。
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