最後の最後まで相次いだ“苦情” 世界記録を出した米競泳戦士も選手村に不満「選手たちの中でも物議を醸した」【パリ五輪】
大会を通して苦情は尽きなかった。現地時間8月11日に閉会式を迎えるパリ五輪の選手村だ。 【画像】エアコンなし、食事に不満噴出…パリ五輪選手村の全容をチェック 一大イベントに参戦するアスリートたちの拠点となる選手村。各大会で特色のある様々な工夫が凝らされているのだが、今回のパリ五輪においては酷評ばかりが目立った。そして環境の悪さを何よりも物語ったのが、選手たちからのクレームだった。 サステナビリティを重視した運営側がビーガンメニューを豊富に取りそろえた食事は、肉料理が不足。様々なエネルギーを必要とする「最悪だ」「まずい」と酷評するほどに質と量を欠いた。さらにエアコンが設置されていない各室は「暑すぎる」と断じれ、「オリンピックを4回も経験しているが、組織の体質は間違いなく最悪だ」(イタリアの男子競泳のグレゴリオ・パルトリニエリ談)と一喝される始末である。 そして、大会の終盤に入っても、選手たちの評価は改善されなかった。現地時間8月10日に米YouTubeチャンネル『Nightcap』の出演した同国の競泳男子選手であるロバート・フィンケもまた不満をこぼしている。 今大会の男子競泳1500メートル自由形で世界新記録を樹立し、金メダルを手にしていたフィンケ。そんな好成績を収めていた彼でさえも、選手村の環境には「間違いなく多くの選手たちのパフォーマンスに影響したと思う」と吐露。そして、散々に酷評されている食事に対する苛立ちを露わにした。 「みんながどう考えているかは分からないけど、選手村の食事は選手たちの中でも物議を醸すものだったんだ。とても『最高だ』と言えるものじゃなかった」 さらに「僕のレースは、特に選手村でどう準備するかにかかっているところがあるんだ」とも明かしたフィンケは心身ともに今大会は苦心続きだったともしている。それでも世界記録で金メダリストとなるのは脱帽と言うほかにない。 現地時間8月28日からはパラリンピックが開幕し、今回の選手村が活用される。大会委員会が問題の山積している環境をどこまで状況を改善できるかは、世界的な注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]