プロ野球の大御所は政府の対策方針の遅れと揺れに疑念…新型コロナ波紋でプロスポーツ界が直面する危機とは?
当初、24日の政府の専門家会議では「これから1、2週間が急速な拡大か収束かの瀬戸際」という見解が出され、25日には政府から「イベント等の開催について現時点で全国一律の自粛要請を行うものではない。だが、イベント等を主催する際には、感染拡大防止の観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請する」などの対策基本方針が示された。 ようするに、各イベントの主催団体に判断を任せるとの指針である。それが、たった1日で転換。26日に安倍首相が「多数の方が集まる全国的なスポーツや文化イベントについて、今後2週間は中止や延期、規模縮小の対応を要請する」と表明したのである。 この政府要請に各プロスポーツ団体が早急に対応したわけだが、この時期の1、2日の判断の遅れは死活問題となる。 センバツ高校野球の開催は、今なお正式決定されていないが、それも政府が示した指針の揺れの影響だろう。 今回の興行延期、中止の影響による経済的打撃は、その規模により大小はある。プロ野球でも1試合、5000、6000万円規模で損害は出る。ずいぶんと昔の話で恐縮だが、オープン戦の巨人戦が、争奪戦となった時代があり「巨人とのオープン戦が1、2試合組んでもらえれば、春季キャンプ費用がペイできる」と言われたこともある。 横浜DeNAは、東京五輪用に観客席を増設するなど横浜スタジアムを改修。そのお披露目がオープン戦だっただけに4試合予定されていたハマスタのオープン戦が無観客開催となったショックは大きい。 各種イベントも中止となり、この日、岡村社長が「大変申し訳ございません。今年は横浜スタジアムの増築、改修工事も終わり新たな姿に生まれ変わったハマスタを皆さんに楽しんでもらいたいと思っていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことを第一に考え、このような決断となりました」とファンへお詫びのコメントを出した。各球団ともにオープン戦期間を開幕へ向けてのプロモーション期間と位置づけているため無観客試合となるのは痛い。