掃除ができない飼い主 愛情も収入もあるのになぜ? 16匹の多頭飼育崩壊からの救出劇が教えること
「掃除ができない」という人は一定数いますが、こんな人が犬猫の飼い主となったら最悪です。自分の身の回りの掃除ができずに、ペットの掃除やお世話も満足にできるとは思えず多頭飼育崩壊を起こしたり、ネグレクトに至ったりすることも考えられます。 【写真】猫たちは悪臭漂う環境を強いられていました 2024年5月、宮崎県内で起きた猫の多頭飼育崩壊現場の飼い主もまさに「掃除ができない人」でした。地元の保護団体・咲桃虎(さくもんと)のメンバーが保護に向かうと、家に一歩足を踏み入れると、あまりの悪臭で目も開けられない、息もできないような状態でした。
窓もクーラーもない悪臭漂う部屋で寝ていた猫たち
飼い主に聞くと「猫が好きで、愛情もあり、金銭的にも問題はない」と言います。この家には成猫6匹、子猫10匹の合計16匹がいるのに、明らかにトイレの数が足りていません。話を聞くと「掃除が苦手」「なかなかきれいにすることができない」と言います。 飼い主が猫に強い愛情を持っていることは感じられました。しかし、満足なお世話もせず、「掃除が苦手」「きれいにできない」という性格のせいで、どんどん増えていく猫たちに対して手が負えない状況に至っているようにも映りました。
「どうにかしたい」と訴える飼い主。専門機関の協力を得ることに
16匹の猫が過ごしていたリビング、寝室、キッチンなどを見せてもらうと、さらにひどい環境でした。飼い主と猫たちはベッドで一緒に寝ていたようですが、窓もクーラーもない部屋。これでは飼い主も猫も健康を害することが明白です。 飼い主からは「状況をどうにかしなければいけない」という意思が感じられたため、今後は団体がサポートをすることにし、掃除やお世話については専門の機関に協力してもらうことを条件に、大人猫についてはそのままお家にいることになりました。生まれて間もない10匹の子猫たちは、「健康を崩さないために」と団体で保護をすることになりました。 保護当初こそ鋭い目つきで警戒心をあらわにしていた子猫たちでしたが、すぐに慣れて、団体メンバーに心を開いてくれるようになりました。 保護した10匹の子猫のうち、1匹はすぐに新しい家族に迎えられることになりましたが、残る猫たちは団体のお世話を受けながら「新しいお家」を待ち続けています。幸いどの子猫も重篤な持病などはなく、スクスク成長していることからそう遠くない時期に、新しい家族が見つかると思います。