日本株、じつは市場の垣根を超えて新TOPIXに採用されるかもしれない「プロ厳選・非プライム市場上場銘柄5選」を実名紹介
MCJ(6670)
■株価(11月8日時点終値)1409円 パソコンメーカー「マウスコンピューター」や、液晶ディスプレイの製造・販売を行う「iiyama」を傘下に持つ持株会社。強みは開発からアフターサービスまでの一貫した体制にある。米インテルや米マイクロソフトなどのサプライヤーと直接取引しているため、最新の製品情報や市場トレンドをいち早く入手できる。 一方、全国に広がる店舗網と24時間対応のコールセンターを通して、顧客の声を直接聞くことで製品開発に活かされている。こうした情報収集力は、市場の変化に素早く対応できるだけでなく、需要の変化にも迅速に対応できる。受注生産方式を採用することで、過剰在庫を避けられるほか、柔軟な価格改定が可能な点も大きなメリットといえるだろう。 2025年10月に「Windows10」のサポートが終了するタイミングを捉え、法人向けのパソコン更新需要も顕在化しつつある。足元の法人向け構成比は約30%と低いものの、着実に高まっている。高性能なゲーム向けやクリエーター向け製品の需要も追い風となるだろう。
ウェルスナビ(7342)
■株価(11月8日時点終値)1117円 同社が提供しているロボアドバイザー「WealthNavi」は、AI(人工知能)による自動運用サービスだ。生成AI(新たなAI技術)を活用した高度なサービス機能を特徴としており、昨年7月に「AIグループ」を新設したことで、さらなる差別化を図っている。 収益は預かり資産に対する手数料率に依存する。2024年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)によって投資の活発化が進んでおり、2024年6月末時点の運用者数は前年同期比10%増(40.8万人)を記録し、預かり資産も簿価ベースで26%増(8,883億円)という大幅な伸びとなった。資産運用初心者からの支持を得ており、長期的な収益基盤の強化が期待できそうだ。 三菱UFJフィナンシャル・グループとの資本提携による相乗効果も期待材料となろう。三菱UFJのブランド力と幅広い顧客基盤を活かすことで、新たな顧客層を取り込み、預かり資産の拡大を加速させる狙いだ。 TOPIX改革がもたらす変化は、日本の株式市場に大きな波及効果をもたらす期待がある。TOPIXに連動するインデックスファンドへの資金流入が加速する以外にも、中小型株への間接的な投資機会を広げ、機関投資家の関心もさらに高まることが予想される。スタンダード市場やグロース市場の活性化が日本全体の新興市場の活性化につながる可能性もあるだろう。
宇野沢 茂樹(証券アナリスト)