貧困、肉体的・精神的虐待「児童婚の悪夢」...2000~18年の未成年の結婚は全米で約30万人
移民制度との関係で児童婚が悪用も
児童婚禁止法案が塩漬けになっている州もある。「コネティカット州議会は、法案を審議にかけることさえしなかった。だから私は下院議長の駐車場に陣取って抗議した」と、ブラッドベリーは振り返る。するとその日のうちに法案は採決にかけられ、全会一致で可決されたという。 移民制度との関係で、児童婚が悪用されるケースもある。アメリカの移民法では、配偶者ビザの申請者や受益者(配偶者)に年齢制限を設けていないため、未成年者が外国に住む「配偶者」のためにビザを申請したり、成人が外国に住む未成年の配偶者のビザを申請できるのだ。 ビアラトによると、米市民権・移民局(USCIS)は、07年からの10年間に、こうした配偶者ビザ申請を8686件受理しており、カップルの一方が未成年でも、配偶者ビザが発給されてきたという。71歳のアメリカ人が17歳の配偶者のビザを申請したケースもあるという。 USCISのガイドラインには児童婚に関する規定がない。だからこそ州のアクションが重要になると、リースは強調する。 「このままでは少女たちがこの種の人身売買の餌食になる恐れがある」と、リースは言う。「州はそのような事態を許すか、結婚年齢を18歳に引き上げる正しい措置を取るか選択を迫られている」