【解説】北海道南西沖地震から30年…北海道でおきる多様な地震活動 日高山脈付近の“震源深い地震”が多い理由とは
日テレNEWS
今月は、津波によって200人以上の犠牲者が出た北海道南西沖地震から30年です。北海道では、その立地から多様な地震活動があります。日高山脈周辺で震源が深い地震がたびたび発生するそのわけは?社会部災害担当・内藤ミカ記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■震度1以上の地震34回
7月17日から23日までの期間、国内で震度1以上の地震が34回ありました。 ▼17日午前9時37分ごろ、北海道釧路市と浦幌町で震度3の地震がありました。この地震の震源は十勝地方中部、地震の規模を示すマグニチュードは4.5、震源の深さは111キロでした。 ▼20日午後1時8分ごろ、千葉県多古町と横芝光町で震度3の地震がありました。震源は千葉県北東部、マグニチュードは4.4、震源の深さは50キロでした。 ▼22日午前10時52分ごろ、茨城県水戸市や日立市などで震度4の地震がありました。震源は茨城県沖、地震の規模を示すマグニチュードは4.8、震源の深さは52キロでした。 ▼22日午後9時14分ごろ、大分県佐伯市と高知県宿毛市で震度4となったほか、四国・中国・九州地方の広い範囲で震度3から1を観測する地震がありました。震源は宮崎県沖の日向灘、地震の規模を示すマグニチュードは5.0、震源の深さは37キロでした。この地震は南海トラフ巨大地震の想定震源域「内」で起きたものです。日向灘ではマグニチュード4~5程度の地震がたびたびおきています。これまでも、揺れや津波による被害が繰り返し発生している場所で、今後も大きな規模の地震に注意が必要です。
■地震発生から数分で津波到達 北海道南西沖地震から30年
1993年7月12日、午後10時17分、北海道南西沖を震源とする大地震が発生しました。地震の規模を示すマグニチュードは7.8、震源の深さは35キロ。当時の震度階級で最大震度は「5」でした。この地震によって大津波が発生し、津波などによって死者・行方不明者数は230人にのぼり、甚大な被害が出ました。 震源は奥尻島のすぐ近くでした。このため、地震発生から4~5分ほどで奥尻島に津波が押し寄せ、最大津波高約30メートルに達しました。この時、気象庁は地震発生から5分後に、北海道の日本海沿岸に「大津波警報」を発表しましたが、その時、すでに、奥尻島には津波が到達していたのです。