【解説】北海道南西沖地震から30年…北海道でおきる多様な地震活動 日高山脈付近の“震源深い地震”が多い理由とは
■“北海道特有”日高山脈付近の深い場所で地震活動活発のわけ
日高山脈の南部では、通常の内陸地震よりも深いところを震源とする活発な地震活動があります。この周辺では、1970年に日高山脈の地震、1982年に浦河沖の地震、2018年には北海道胆振東部地震がありました。2018年9月6日に胆振地方中東部を震源とするマグニチュード6.7、震源の深さ37キロと少し深い地震が発生しました。北海道で初めてとなる震度7を厚真町で観測しました。大規模な土砂崩れが発生したほか、震源に近い発電所が被害を受けたため、北海道全域が停電ブラックアウトする異常事態となりました。この地震によって亡くなった人は42人にのぼります。
■太平洋プレートが「2方向」から沈み込む…複雑な地下構造が要因か
東北地方では、太平洋プレートが陸に向かって正面から沈み込んでいる一方で、同じ太平洋プレートでも、北海道では、日本海溝と千島海溝の位置が「くの字」に曲がっていることからわかるように、異なる方向、角度から沈み込んでいます。このため、内部で地殻とぶつかり、日高山脈周辺で地震活動が活発になっていると考えられています。 さらに、地震の専門家で、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんによりますと、北海道の十勝沖から根室沖にかけての沿岸では、地下に埋もれている津波の痕跡から、400年程度の間隔で10メートルを超える高さの津波が発生していることが最近の研究で明らかになっているそうです。このタイプの地震は、直近の地震からすでに400年が経過しているため、発生が切迫している可能性が高いとされています。 北海道に限らず日本国内どこでも、大きな地震が発生する可能性があるため、日頃から避難経路や避難所の場所を確認するなど、できることから備えを進めることが大切です。