“派閥”改革案 どんな評価? 「中間とりまとめ案」あす正式決定へ<官邸キャップ解説>
日テレNEWS NNN
自民党の政治刷新本部は、派閥から人事とカネの機能をなくすなどの中間とりまとめ案を25日に正式決定します。今回の改革案にはどんな評価が出ているのか。政治部の平本典昭・官邸キャップが解説。 ◇ 評価を見極める3つのポイントがあります。 (1)「人事とカネ」機能の撤廃 (2) 派閥全廃“先送り” (3)“連座制”踏み込まず 1つ目ですが、「人事とカネ」機能の撤廃。これは「プラス評価」です。岸田総理は周辺に「これで、事実上派閥はなくなる。大きな一歩だ」と胸を張っています。 岸田総理は、派閥の機能の中で悪いのは「人事とカネ」だとして、撤廃することにかなりこだわっていました。今回、派閥の「最大の収入源」である派閥パーティーの禁止、「最大のポスト分配機能」である派閥推薦の禁止を決めたことは、成果といえます。小泉元環境大臣は、「自民党にとって大きなインパクト」と指摘しています。 ──派閥の機能はなくなるということですが、結局、派閥は残るんですよね? はい、事実上残ってしまうところが「マイナス評価」だと思います。2つ目のポイントは「派閥全廃は見送り」。なぜ見送ったか、背景を説明します。 23日の刷新本部には139人の自民党議員が出席しましたが、「全廃すべき」という人とそうでない人、半々だったそうです。岸田総理は「どっちの道を選んでも半分は敵になる」選択だったと明かしています。だったらもう機能面で派閥はなくなるのだから、「形だけ残るのは仕方ない」と、派閥が「政策集団」として残ることを容認したわけです。 ただ、政権幹部からも「全面解消しないと政権はもたない」という声が出ていました。世論調査でも6割を超える人が「派閥解散」を求めています。 国民の信頼回復が最大の目的だったにもかかわらず、党内融和を優先した形となってしまいました。 ──3つ目の「“連座制”踏み込まず」。これはなぜ踏み込まなかったのでしょうか? これは、岸田総理が踏み込むチャンスを逃したとみています。これも「マイナス評価」です。 今回、安倍派の幹部議員の立件が見送られたことなどから「また、秘書のせいか」という不満が出ています。それを解消するカードが「議員も連帯責任を負う『連座制』」でした。野党だけでなく与党・公明党も導入に前向きの中、総理周辺は「総理も連座制は必要だと思っている」と総理の「決断次第」となっていたんですが、見送ったと。 ある閣僚経験者は「どうせ導入することになるのに、なぜ今打ち出さなかったんだ」と批判しています。 今回はあくまで中間とりまとめです。さらなる対応策や、今決めたことの実効性をどう持たせるか、具体案が求められます。