「ロ朝200人が戦死」 雪上の遺体公開…膠着状況で北朝鮮軍の被害を強調するウクライナ
ウクライナ軍とロシアに派兵された北朝鮮軍の交戦が拡大し、双方の死傷者が増えているという現地の情報が続いている。ロシア軍と北朝鮮軍の連合部隊員200人が死亡したというウクライナ側の主張も出てきた状況だ。 【写真】ウクライナ軍が公開したロシア・北朝鮮兵士の写真 これに先立ちウクライナ国防情報局(DIU)は14日(現地時間)、ホームページで「ロシアがクルスク戦闘に北朝鮮軍を含む連合部隊を投入し始めた」とし「彼らは主にドローン(無人機)攻撃の効果的な標的になっている」と明らかにした。また「(この日基準で)ロシア・北朝鮮軍連合部隊の死亡者は200人と推定される」と主張した。 DIUは「北朝鮮軍が少なくとも30人が死亡または負傷した」と伝えた。具体的な北朝鮮軍の割合には言及せず「約1万1000人の北朝鮮軍がロシア領土にいる」と強調した。クルスクはロシアがウクライナに奇襲的に一部の地域を占領された後、奪還に苦戦しているところだ。 DIUは「戦場では言語障壁のため北朝鮮軍の統制に困難がある」とし「この問題で北朝鮮軍が(ウクライナ戦争に投入されたチェチェン共和国の)アフマト大隊の車両を誤認射撃し、8人が死亡した」と主張した。 ウクライナ側はこのように最近、北朝鮮軍の被害を強調している。この日、ウクライナのゼレンスキー大統領も「多くの北朝鮮軍がクルスクでロシアの軍事作戦に合流したが、すでに(北朝鮮軍の)損失が目立つほど」と伝えた。 ウクライナ軍は15日、北朝鮮軍の遺体と推定される映像まで公開した。この日、ドローン部隊の第414独立旅団はテレグラムチャンネルを通じて、交戦中に死亡したロシア軍と北朝鮮軍だとし、雪の上に一列に並べられた約20人の遺体の映像を流した。この映像にはロシア軍のトラックと推定される車両が遺体を乗せて行く際、ウクライナ軍のドローンの追跡を避けようとして遺体を落としながら逃げるような場面もある。 ◆「北朝鮮軍の遺体という根拠が必要」 ウクライナ軍はこうした映像を公開しながら「(戦闘が)終わるたびに北朝鮮軍4、5人が車に乗ってきて遺体を収容する」と主張した。しかし専門家の間では「映像の画質が鮮明でなく、遺体の一部が雪に埋もれて北朝鮮軍と識別するのが難しい」という指摘が出ている。峨山政策研究院のヤン・ウク研究委員は「東洋人かどうかも識別できない」とし「北朝鮮軍の遺体と確認するには明確な根拠が必要だ」と指摘した。続いて「ウクライナ軍の立場ではクルスク戦線を拡大しなければいけない状況だが、北朝鮮軍の派兵で苦戦している」とし「現在の状況を知らせること以外に確実に対応できることがないため、こうした映像を流しているとみられる」と話した。 一方、ロシアに派兵された北朝鮮軍がクルスクで戦死したというウクライナ側の主張に対し、ロシア側は論評を拒否した。タス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官はこの日の記者会見でこれに関する質問に対し「国防省に質問するべき」と答えた。また欧州連合(EU)主要国が18日にウクライナ平和維持軍派遣の可能性を議論するという報道に関しては「平和維持軍について話すのは時期尚早」と話した。 ロシア側も世論戦をしている。親ロシア軍事ブロガーは「6日、北朝鮮軍が2時間でウクライナ軍300人を射殺し、ウクライナとの境界地の集落を奪還した」と主張した。 こうした様相はウクライナ戦争終息を公言してきたトランプ次期米大統領の来月の就任を控えて強まっている。一部では「戦線が膠着状態の中、西側の関心を誘導すると同時に内部宣伝を強化するための目的」という解釈も出ている。