堺正章、生涯最後のバンドにかける思い「まだ自分にはやるべきことがある」
歌手堺正章(78)が結成したバンド「堺正章 to MAGNETS」(サカイマサアキトマグネッツ)が2月1日、ビルボードライブ東京でお披露目ライブを開催する。このほど、同バンドにかける思いを、日刊スポーツなどの取材に語った。 【写真】堺正章の生涯最後のバンド「堺正章 to MAGNETS」 冒頭「決してどこかが企画して人を集めたとかではなく、僕自身が発想したもの」とした。その理由を「バンドでスタートした僕がここまでやってきて、ふと振り返ってみると近年、友だちや同世代で亡くなる方が多くて、ある種の孤独感みたいなものが自分の中に芽生えてしまった」と胸中を吐露。そこで「何かしらの共通項を持ってやっていけたら、もしかしたら輝くものになり得るのではないかというように考えた」と明かした。 ザ・スパイダースはグループサウンズの中心として時代を築いた。だが、最初から売れたわけではない。「お客さんが少ない時からステージを頑張ってやって、空回りして、むなしい思いをしてやっていた」。それでも、試行錯誤を繰り返すことで「お客さんが増えていき、映画のようなシーンが続いた」。 新バンドを“生涯最後”に位置付けている。「どういう風に成長していくか、まだわからない未知の部分があるけど、最後に自分がこのマグネッツというグループを作って、それに参加してくれるメンバーがいて、それの中で自分が歌っている。立派なバンドにするというのは僕の到達点というか、1つの目標としてあるんです」と目を輝かせた。「まだ自分にはやるべきことがある。その証しが、このマグネッツなんです」と胸を張った。 その仲間として選出したのがミッキー吉野(72)とシシドカフカ(39)だった。「みんなの笑顔がそこにあって、それを見てくれるお客さんが増えてくれて、それをみんなで共有できるような時間を持ちたい。夢のような話だけど、そういうところに到達できたらいいなという思いがある」とし、「この夢のようなことに向かって、自分に手かせ足かせをつけてやっていくエネルギーがまだ残っていたので、それをミッキーとカフカに伝えたところ、熱を返してくれた」。 そこには責任が伴う。「言ったからには、集めたからには、やらなきゃいけない。自分に責任を負わせることの1つの形でもあり、ある意味、自分の責務」と決意も示した。 「最初に僕たちがジャズ喫茶でやったのと同じような気分を、ビルボードのステージでまたスタートを切れる」とし、「何度もスタートを切れる喜びを自分自身も味わいたいし、皆さんにも、ぜひ応援に来ていただけると大変ありがたいなという気持ちでいっぱいでございます」とメッセージを送った。 “巨匠”の最終章。78歳の挑戦から目が離せない。【川田和博】 ◆堺正章(さかい・まさあき)本名・栗原正章。1946年(昭21)8月6日、東京生まれ。喜劇俳優堺駿二を父に持ち、子役で芸能界デビュー。62年ザ・スパイダースにボーカルとして加入。70年解散後は俳優、司会など幅広く活躍。主な出演ドラマは「時間ですよ」「西遊記」、バラエティーは「新春かくし芸大会」「チューボーですよ!」など。NHK紅白歌合戦の司会を91年から3年連続で務めた。165センチ、60キロ。