今すぐチェックしておこう! 2025年、ネット詐欺に遭わないための10のヒント
2025年も、ネット詐欺に遭わないようにネットリテラシーを向上させていきましょう。そして、自分だけでなく、デジタルが苦手なご両親など身近なシニア層の方にも情報を共有し、みんなでネット詐欺被害をなくしていきましょう。 セキュリティベンダーのマカフィーは2024年12月26日、「2025年サイバーセキュリティ脅威予測」を公開しました。今回は、その中で挙げられている「デジタル脅威のトップ10と安全な生活を送るためのヒント」をチェックしておきましょう。 1)ディープフェイクによる信頼の再定義 AIを使った精巧な偽動画や音声により、詐欺師が人々を巧みに欺いています。特に、家族や親しい人を装った金銭援助詐欺は、財産や人間関係に深刻な影響を与えることがあります。送金依頼などの不意の依頼には冷静に対応し、信頼できる別の手段で確認することが効果的です。 2)個別カスタマイズされたAI詐欺メッセージ AIの進化により、信頼できる情報源からのものと見せかけた詐欺メールが作成されるようになり、見抜くのが難しくなっています。銀行や公共機関、インフラ会社、雇用主などを装ったメッセージには注意が必要です。予期しないメッセージは必ず再確認し、不審な通信を検知するセキュリティツールを活用するなどしてリスクを回避しましょう。 3)悪質なモバイルアプリ 正規アプリに見せかけた有害なアプリが増加しています。ユーザーが入力したIDやパスワードなどの情報を盗み、不正アクセスに利用するのです。非公式な配信元からのダウンロードは特に危険です。公式アプリストアを利用し、アプリの権限を確認することで被害を防ぎましょう。また、信頼できるマルウェア対策ツールの導入も重要です。 4)暗号資産詐欺とマルウェア 詐欺師が偽投資話やマルウェアを用いて、暗号資産のデジタルウォレットを狙っています。資産を守るには、ハードウェアウォレットを使ったり、多要素認証の有効化、復元フレーズの厳重管理などの対策が不可欠です。ロマンス詐欺と組み合わせてくることが多いので、ネットでの出会いにも注意してください。 5)NFC攻撃の増加 非接触型決済の普及に伴い、NFC(近距離無線通信)技術を悪用した支払い情報の窃取が増えています。スマホのマルウェアによる攻撃やカード複製被害が懸念されます。利用時以外はNFCを無効化し、生体認証やマルウェア対策ツールを活用しましょう。 6)健康・医薬品詐欺 高価な健康製品やダイエット薬に関連するネット詐欺が横行しています。特に、怪しいSNS広告から購入すると、健康被害を出しかねない危険な製品を購入してしまう可能性もあります。基本的に信頼できる薬局で購入し、オンラインで購入するときは医師の確認を徹底することでリスクを軽減できます。 7)消費者を油断させる偽の請求書とお客様サポートセンター詐欺 顧客サポートの担当者になりすまし、偽の請求書を送って個人情報を盗み取る詐欺が増加しています。請求書は公式な方法で確認し、不審な請求には応じないよう注意しましょう。 8)ディープフェイク・ライブ動画がデジタル交流にもたらす新たなリスク 親族や上司などを装い、金銭を要求してくるオレオレ詐欺の進化版とも言えます。リアルタイムでのディープフェイク技術によって、ビデオ通話で顔も声も本人そっくりになりすますこともできるようになりました。見破るのは難しいのですが、予期しない金銭要求には慎重に対応し、別の手段で確認を行うことが大切です。 9)ソフトウェアやアプリへのサプライチェーン攻撃 ソフトウェアのアップデートに悪意あるコードを埋め込む手法が巧妙化しています。特に、最近はAIを使って悪意のあるコードを簡単に作れるようになり、リスクが大きくなっています。アプリは公式アプリストアからのみダウンロードし、セキュリティアップデートの確認も習慣化しましょう。 10)AI搭載のマルウェア AIを活用したマルウェアが、従来のセキュリティ対策を突破して情報を盗み出すようになっています。対抗策としては、リアルタイムで脅威を検出できる高度なセキュリティツールを導入し、機密情報はオフラインで安全にバックアップすることが推奨されます。 近年のAIの急激な進化は、ネット詐欺師にも恩恵を与えています。セキュリティツール側にもAIは搭載されていますが、ネット詐欺師側も積極的にAIを活用し、詐欺の手口をブラッシュアップしてきています。今までは、見破っていたという人も、今後は本物かネット詐欺なのか判別するのが難しくなってくるでしょう。 ネット詐欺の手口を知り、対応策を身に付け、適切なセキュリティツールを導入し、怪しいところには近づかない、眉唾な話は信用しない、ということを徹底してください。そして、特に個人情報や金銭を渡すときには、慎重に慎重を重ねることを忘れないでください。ネット詐欺師はほんの少しの隙を見逃しません。 2025年は適切なネットリテラシーを身に付け、ネット詐欺を一切寄せ付けないようにしましょう。 NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構) 高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。 ※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください 参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと
INTERNET Watch,DLIS・柳谷 智宣
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