西武・源田が不倫騒動で「求心力に懸念」 坂本勇人に定位置奪われた二岡智宏と重なる?
■異例だった選手会長のトレード放出 球界を代表する遊撃が若手成長株に定位置を奪われる――。このストーリーで思い浮かぶのが巨人の二岡智宏(現ヘッド兼打撃チーフコーチ)と坂本勇人だ。二岡は98年のドラフトで逆指名により巨人に入団すると、大卒1年目から遊撃の定位置をつかんで攻守の軸になった。03年は打率.300、29本塁打をマークするなど、広角に長打を打てるスケールの大きい打撃が魅力だった。07年には2年連続の20本塁打をマークし、自己最多の83打点を挙げた。 だが、08年に運命が大きく変わる。選手会長に就任したが、開幕戦で右ふくらはぎ肉離れを発症。ファームで復帰を目指していた7月に、女性タレントとの不倫スキャンダルが週刊誌で報じられた。同月20日に1軍復帰したが、球場でヤジが飛ぶ異様な雰囲気に。9月に右足首捻挫で再び登録抹消されると1軍復帰は叶わず、自己最少の31試合出場、1本塁打、7打点の成績に終わり、同年オフに日本ハムにトレード移籍した。選手会長のトレード放出は極めて異例の事態だった。 ■「人生はどう転ぶかわからない」 このとき、二岡に代わって遊撃の定位置を獲得したのが、高卒2年目の坂本勇人だった。08年は全144試合先発出場を果たし、8本塁打、43打点と二岡を上回る成績を上げた。 巨人を取材していた民放テレビ関係者は当時を振り返る。 「あの年は不倫騒動、度重なる故障で二岡の存在が薄くなったことは確かですが、坂本勇人が高卒2年目で全試合出場したことで、世代交代を加速させたことは間違いありません。二岡は球界を代表する遊撃でしたから、正直、坂本が1軍の試合に出るのは3、4年目以降、定位置をつかむなら二塁かなと思っていました。人生はどう転ぶか分かりませんね」 不倫騒動はグラウンド外の出来事だ。だが、ファンの源田を見る目が厳しくなるのは間違いない。 「源田が野球に集中できなければ、パフォーマンスに影響を及ぼす恐れがあります。将来の遊撃のレギュラー候補として俊足巧打が武器の21歳の滝沢夏央、高卒ルーキーの斎藤がどこまで台頭してくるか。チームは土台作りから長期的視点で変革する時期なので、若返りを一気に断行する可能性もあります」(スポーツ紙デスク) チーム再建を目指す西武で、源田は先頭に立って引っ張ることができるのか。それとも――。 (今川秀悟)
今川秀悟