ドラマを超えた戒厳令と大統領弾劾 傑作政治スリラー映画でたどる韓国現代史
映画のヒットが選挙結果を左右した
韓国で、リベラルが相手を上記の全ての作品のビランを結合させた悪魔のような人物として攻撃するのは、非常にありふれたことだ。「KCIA 南山の部長たち」は第21回総選挙(2020年4月15日)の3カ月前(20年1月22日)に公開され、コロナ禍のさなかであったにもかかわらず475万人の観客を集め、「ソウルの春」は第22回総選挙の5カ月前に公開されて1312万人を動員、リベラルが圧勝する雰囲気づくりに貢献したという点は無視できない。映画がある程度大衆への影響力を持つのは自然なことだが、それが行き過ぎて映画と現実を区別できない現象につながるとしたらどうだろうか。 英語の表現に「Don't be dramatic.」というものがある。いわゆる「大げさ」をドラマに例えたのだ。それでは、現実が「ドラマ」を超えた韓国の今は、後でどのようなフィクションになるのか。大統領辞任の賛成派と反対派のデモが12月の街を埋め尽くしているカオスそのものの現実を目の当たりにして、ふと思うのだ。
洪相鉉