綾瀬はるか × 大沢一菜 初共演の映画「ルート29」で生まれた2人の絆
――監督の演出の仕方に違いがあったんですね。綾瀬さんは大沢さんと共演して、プロの役者さんとは違う感覚はありました?
綾瀬:ハルがそこにいる、という感じで、役を演じているふうには思えなかったですね。
――綾瀬さんは監督から何か言われたことはありました?
綾瀬:最初に監督に言われたのが、のり子は若い時に自分が言っていたことを大人たちに勘違いされて、周りに積極的に関わりを持つのをやめている人かもしれない、ということでした。でも、それで暗くなっているわけではなく、自分の中の宇宙がすごくある人かもしれないって。
――自分の中に宇宙がある、というのは、ハルと同じですね。のり子を演じてみてどんな感想を持たれました?
綾瀬:最初、監督に「演じなくていいので、綾瀬さんそのままでいてください」って言われてたんですが、やっぱり掛け合いのお芝居では伝えようとしちゃうんですよね。演技を積み重ねて役になっていくことが多いし。今回はそういうことを全部削ぎ落として、なるべく“無”でいるようにした方がいいんだなって思いました。
――いつもとは違うアプローチで役に向き合ったんですね。
綾瀬:最初は難しいなって思いました。でも、10代の時はこういうふうだったなって思い出したんです。演じて作っていく役とは違って、自分じゃないけど自分の延長にいるみたいな役、というのが懐かしい感じがしました。
撮影の合間の遊び
――国道29号線に沿って旅をするようにロケ撮影をされたそうですが、撮影で印象に残っていることはありました?
大沢:鳥取って全部が砂丘だと思ってたけど違いました(笑)。砂丘は初めてで砂に座ったら気持ち良かったです。
綾瀬:砂丘のシーンは朝早かったんですよね。誰もいない砂丘を歩くのは気持ち良かった。あと、今回は森の中のシーンが多かったので、一菜ちゃんと一緒に虫とカエルを捕ったりしていました。監督と3人でお祭りを見に行ったりもしましたね。